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詩『をくれげ:Her Stray Hair』

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    うつむきかげんのそのひとのえりあしに
    ゆれる電車のつりかわをにぎるそのひとの
    みえない表情のかわりにみえるのは
    ほそくてながいくろい一条だった

    それがそのひとのすべてをぼくにおしえてくれるようで
    それがそのひとのそれいがいをぼくにこばんでいるようで
    のるひとのすくないその車輌のゆれるつりかわのような
    そんなこころもちをいだかせるのであった

    そのひとよりもさきにおりる駅がくるならば
    ぐるりととおりすぎるそのときに
    そのひとの真意をしりえただろうか

    おおきなおとをたてて電車はみぎへとかたむく

    さっきまでそのひとのにぎっていたつりかわをながめながら
    ぼくは終着駅までひとり その車輌にすわっているのだった
    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -
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