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『裸婦』 by ピエール・ボナール

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    女性、とうよりも少女とでも呼べる様な、あどけなさの遺る表情で彼女は佇んでいる。一糸纏わぬその躯はふっくらと丸みを帯びて、柔らかな陽光の中に、その裸身を反映させている。
    左掌を己が右掌で支える彼女は、何を観る。
    きっと、己の躯の中に興っている変化、こどもからおんなへとなるそれを、まだ気づいていないのかも知れない。


    作品名:裸婦
        Nu Feminino
    画 家:ピエール・ボナール
         Pierre Bonnard
    美術館:サンパウロ美術館ブラジルサンパウロ
        Museu de Arte de Sao Paulo,
        Cidade de Sao Paulo, Republica Federativa do Brasil


    と、この作品を観た印象を綴ってみましたが、実は観る度に、異なる印象をこの作品に抱きます。
    それは、ここに描かれた彼女の表情が、幾重にも様々なものにうつろうからです。
    なにも知らない様にも観え、総てを知り尽くしている様にも観え、あどけない幼子の様にも奔放な娼婦にも観えるのです。

    逆に言えば、その様々な表情を魅せるその頭部を乗せた肉体は、その表情のどれにもあわずに、いくばくかの違和感を与えます。
    その肉体は、きっと、やさしくて、やわらかくて、あたたかい。そんな印象を抱きます。
    それ故に、無表情ともとれるその頭部は、その肉体に相応しくはないのです。

    もっと、異なった表情に出逢えるのではないか。そんな想いがまた、彼女の表情を多重露光 / Multiple Exposureの様に、様々なものと映えさせるのでしょう。

    下に掲載するのは、この本作品が描かれた1936年と同じ年の作品、エドワード・ウェストン / Edward Westonの『ヌード 1936 / Nude 1936』。
    女性の肉体を撮影しながらも、その女性は己の女性性を総て、硬直したかの様に隠しています。にも、関わらずに、この作品から伺えるのは、女性ならではの美しい肢体に他なりません。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 12:36 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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