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『レダ』 by D・H・ロレンス

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    裸身の女性を陵辱する一羽の白鳥、と観るよりも、その媾合の果てに絶えた姿と観るべきなのか。女性の顔は観えず、そこに甘美な陶酔が溢れているのか、それとも、辱めに堪える苦悶が顕われているのか、それは解らない。しかし、ながい蛇の様な白い頸をうねらせて、彼女に擦り依り、身を委ねる彼のまなこは白い。


    作品名:レダ
        Leda
    画 家:D・H・ロレンス
        D. H. Lawrence
    美術館:ノッティンガム大学イギリスノッティンガム
        The University Of Nottingham, Nottingham, England


    この作品は、ふたつの観点から観る事が出来ます。
    ひとつは、画家が小説家でもあり、その名はD・H・ロレンス / D. H. Lawrenceであって、彼の代表作が『チャタレイ夫人の恋人 / Lady Chatterley's Lover』である事。
    ひとつは、画題に選ばれた『レダと白鳥 / Leda et le Cygne』が、古代より多くの画家や彫刻家が競って取り上げた有名なものであり、それはギリシア神話 / Greek Mythologyに端を発している事。

    前者に関して言えば、わたし自身は知識としては、この小説家の名前も、彼の代表作も、そしてその代表作の翻訳が有名な裁判の出発点となった事は知っています。
    伊藤整 / Sei Itoによって翻訳された『チャタレイ夫人の恋人 / Lady Chatterley's Lover』が1950年、猥褻文書として摘発されて、猥褻 / Decency表現の自由 / Freedom Of Speechを廻って争われたのでした(チャタレー事件)。
    でも、それらは知識として知っているだけで、その問題となった翻訳を当たった事も、それ以外の作品を読んだ事もありません。過去、何度か映像化されたらしいのですが、それも観た事はないのです。
    むしろ、『ユリイカ 臨時増刊 総特集 禁断のエロティシズム』というムックで、彼の画家としての経歴と画家としての彼の作品を観ているので、小説も書く画家という認識の方が強いのかもしれません(最も、そのムックを読む以前から、小説家であり『チャタレイ夫人の恋人 / Lady Chatterley's Lover』の作者である彼の業績は知識として得ていた訳ですが)。

    後者に関して言えば、ギリシア神話 / Greek Mythologyレダと白鳥 / Leda And The Swan』の中で語られる、神が白鳥に変身して女性と性向に及ぶ、というその逸話は、大神ゼウス / Zeusのいくつもある悪い癖のひとつ(とは言うものの襲われる方としてはたまったモノではないのですが)として、あっけらかんとして語られている様な気がします。
    でも、絵画や彫刻としてヴィジュアル化された作品のいくつかは、濃厚な性描写が観られて、時として、困ってしまうものもあります。
    特に白鳥の細く長い頸が、男性器を連想させてしまうのです。しかも、作品によっては、その細くて長い頸が、女性の躯から生えて来ている様に観えて、まるで両性具有者 / Androgynousのそれを観ている様な気になってしまいます(そんな妄想はわたしだけですか?)。

    本作品もそんな妄想を助長させるもののひとつで、レダ / Ledaの肉体と白鳥の肉体の色調が、ひとつのものに溶け合って、彼女自身のそれかもしくは彼女がみにつけた器具の様に観えて、いたしかたありません。
    そう、そう言えば『チャタレイ夫人の恋人 / Lady Chatterley's Lover』でも、確か女性の方が誘惑しイニシアティヴをとる物語だったなぁと、記憶の底をまさぐらせるのでした。

    下の作品はイェジー・ヒュルウィッツ / Jerzy Hulewiczによる『レダと白鳥 / Leda And The Swan』。1928年の作品で、これはD・H・ロレンス / D. H. Lawrenceの『レダ / Leda』が描かれる前年にあたります。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 13:53 * comments(2) * trackbacks(0) * -

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      comments

      >裸の玉子さまさん

      コメントありがとうございます。

      > 夏の終わりに観た夕日
      例えば、過去記事だと、これなんか該当しませんか?
      8月7日は、暦の上では立秋。秋なんですが。
      http://rui4oyo.jugem.jp/?eid=1352
      Comment by るい @ 2011/08/28 9:55 AM
      今週に掲載の記事を閲覧させて頂きましたので一応、足跡だけ残して置きます。

      ひとつ、あつかましくも記事のリクエストをしても良いですか?
      夏の終わりに観た夕日を、るいの感性で表現して欲しいなぁ…なんて如何でしょうか。
      こちら愛媛の田園では夕日に照らされてアキアカネが編隊で飛んでいます。


      Comment by 裸の玉子さま @ 2011/08/28 3:55 AM
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