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エンゼツスルヒト:シリーズ「電車でGO!」

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    そのS駅には、大学がふたつもあるクセに、各駅停車しかとまりません。もっともS駅を挟んで急行が停車する駅が両隣りにあるので、S駅にも急行が停車するとなると、三駅連続で停車する事になります。そうすると、今度は急行そのもののアイデンティティが失われる怖れもあるから、大人の事情で致し方ないのかもしれませんね。
    とは言っても、都心の始発駅からS駅に行くとなると、急行に飛び乗って急いだつもりが、結局は後から来た各停に乗るハメになる事も多々あります。結局は、その始発駅から鈍行でのんびりと30分、ちっちゃな旅行をした方が良いようです。
    その日は、S駅での用事を終えた午下がりの事です。
    夕方にH市で集まりがあるので、そちらに向かう為に、いつもの様にちっちゃなかわいい商店街を散策した後に、いつもの様に駅前の本屋さんに駆け込みます。なぜって、H市に到着するまで、わたしにはちっちゃな旅行が待ち構えているからです(ここからH市まで、やっぱり30分間、電車に揺られてのんびり行くのです)。そんな旅行のお伴は、たいがい文庫本と相場が決まっています。

    ホームに着いたら運よく、列車が滑り込んで来ました。午下がりの平日、しかも梅雨の合間の一瞬の晴天の日です。夏休みへのカウントダウンをしながらも学生諸君は期末試験の真っ最中、そんな時期です。列車は案の定、がらがらのはずです。わたしはのんびりとさっき購入したばかりのご本を読む予定でした。
    しかし、ちっとも読み進める事は出来ません。タイトルにもある様に、その車両には、えんえんと現政権を痛烈に罵倒し続ける方がただ独り、いらっしゃったからでした。
    これが例えば、ホームレスと殆どボーダレスな労務者然とした方が赤ら顔して怒鳴り散らしていたら、まぁ、対処の仕方はいくつもありますよね。眉を潜めて隣の車両に移るか、もしくは、突然居眠りしちゃうか。つまりは、敵前逃亡か、無視あるいは黙殺です。
    また、ある政党(あるヒトがここは具体的な政党名を書いちゃいけませんって言うから、伏字です)に所属している様な方だとしても、おんなじ態度をとるでしょう。
    でも、その演説している方は、すごく恰幅の良い紳士だったんで、わたしは思わず彼がなにを語ろうとしているのか、聞込んでしまったんですよ。だって、ただの頭のおかしなヒトなのか、それとも、辻説法を気取った(やっぱり)おかしなヒトなのか、ちょっと気になりませんか?

    その方はひたすら演説をしています。しかもかなりの大音声。2〜3両先きまで声が届いているのかもしれません。でも、列車自体は、午下がりの各駅停車だから、聴衆は全車両でも、数十人といったところでしょう。きちんと自身の演説を多くの人々の耳に届けたいのなら、電車を降りて、どこかの駅前で始める方がよっぽど効率的です。それとも、通りすがりの大衆よりも、最初から最後まで、聴き続けてくれる小衆を求めているのかしら?
    謎が謎を呼びます。
    ところで、肝心のその内容は? それがよくわかりません。ひとつひとつの単語は簡単な言葉で、言い回しも簡潔なんですが、なんかわたし自身が夢の中にいる様で、話している主旨が全然つかめないです。
    もっと良く聴いてみよう、そう思った矢先でした。列車が止まりました。ひとつ隣りの駅です。
    その方は、びたっと演説を止めて降りてしまいました。
    わたし一人がおいてきぼりです。
    るい rui, the creature 4 =OyO= * diaries : by streetcar a-go-go! * 02:01 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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