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『頭部VI』 by フランシス・ベーコン

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    まるでデヴィッド・クローネンバーグ / David Cronenberg監督の映画『スキャナーズ / Scanners』の様に、頭を吹き飛ばされてしまったかの様なショッキングな映像。そう、何故だか絵画作品というよりも映像という方がしっくり来る様な、激しい動きと激しい感情の迸りを観てしまう。


    作品名:頭部VI
        Head VI
    画 家:フランシス・ベーコン
        Francis Bacon
    美術館:アーツ・カウンシル・イングランドイギリスロンドン
        Arts Council England, London, England


    頭を吹き飛ばされた(そういう風にしか観えないので)人物は、ローマ教皇 / Papaだといいます。頭を喪った(そういう風にも観えるのだけど)ローマ教皇 / Papaを描いた連作のひとつ。その連作の中には、全身像も描かれていて、その人物の服装から、彼がローマ教皇 / Papaそのヒトだと、自ずと知れてしまう作品『ベラスケスの教皇イノケンティウス樟ちによる習作 / Study After Velazquez's Portrait of Pope Innocent X』もあります。

    ところが、この作品ではそのローマ教皇 / Papaとしての服装の描写は最小限に抑えられて、喪われてしまった頭と遺された顎が大きく描かれています。
    そして、描かれた彼の躯は、透明なショーケースの様な矩形にすっぽりと収まっている様に観えて、観えない彼の身体もまた、総て奪われてしまった(そういう風にも観てしまう)と思えてならないのです。

    まるで、ある一瞬をつかまえて凝着し、それをそのまま、美術館かどこかに展示している様な、不思議な光景が頭をよぎります。

    "When the Pope was screaming, it wasn't screaming, I wanted to make the scream into something which would have the intensity and beauty of a Monet sunset." - F.B.

    上の英文は、次の様な意味になると思います(わたしが訳しました)。
    「教皇が叫ぶとき、それは叫びではないのだが、わたしはその叫びにモネの描く夕暮れの様なつよさと美しさを与えたいのだ」
    この英文は、わたしがこの作品を知る事になった『ヘルメスの音楽』(浅田彰 / Akira Asada著)に、本作品のカラー図版の下に添えられてあったものです。
    つよさ / Intensityは確実にこの作品に備わっているものですし、観る方によっては拒絶反応を呈してしまうかもしれませんが、美しさ / Beautyもあると思います。
    だが、それらがクロード・モネ / Claude Monetの夕暮れ、例えば『ロンドンの国会議事堂、夕暮れ / Le Parlement de Londres, soleil couchant』と比べ得るものだろうかと自問すれば、答えはいつまでも出て来ないのです。

    下に掲載するのは、聖カタリナ修道院 / Saint Catherine's Monasteryに収蔵されている『聖ペトロのイコン / St. Peter The Apostle』。6世紀の作品です。
    ペトロ / Simon Petrusは、初代のローマ教皇 / Papaとされています。
    この『聖ペトロのイコン / St. Peter The Apostle』を源流として脈々として描き次がれて来たローマ教皇 / Papaの肖像の、最新の作品のひとつが、フランシス・ベーコン / Francis Baconの『頭部VI / Head VI』だという訳です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 15:59 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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