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『ブルー・ポールズ(青い柱):ナンバー11』 by ジャクソン・ポロック

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    この画家のいくつもの作品を観せられて、考え込んで仕舞うとしたら、恐らく次の様なものだろう。
    ナニを描こうとしているのか。ナニを顕わそうとしているのか。ナニが主題でナニがモチーフなのだろうか。
    だが、いくつもいくつも、この画家の作品群に向かい、この画家独特の制作技法を知れば、上にある疑問の大概は片がつく。
    それは悟りかもしれないし、諦めかもしれない。
    だが、そんな境地に立ち入った時に改めて、本作品『ブルー・ポールズ(青い柱):ナンバー11 / Blue Poles : Number 11』に向かえば、きっと新たな混乱を来すに違いないのだ。
    そして、最初に立ち還って、こう呟いてしまうのだ。
    ナニを描こうとしているのか。ナニを顕わそうとしているのか。ナニが主題でナニがモチーフなのだろうか、と。


    作品名:ブルー・ポールズ(青い柱):ナンバー11
        Blue Poles : Number 11
    画 家:ジャクソン・ポロック
        Jackson Pollock
    美術館:オーストラリア国立美術館オーストラリアキャンベラ
        National Gallery Of Australia, Canberra,
        Commonwealth Of Australia


    ジャクソン・ポロック / Jackson Pollockの作品のその多くには、中心もなければ周縁もない様に観る事が出来ます。そして、それと同時に、始まりもなければ終りもない様に観る事が出来ます。
    そこら辺りの認識を鳥羽口にすれば、主題もなければそれを引き立たせる舞台装置もないだろうし、紋様と地の違いもないだろうし、もしかしたら天も地も左も右もないかもしれない。
    そんな風な解釈に行き当たるのではないでしょうか。

    そんな思考を得てしまえば、アクション・ペインティング / Action Paintingという独特の技法も、どこからどこまでが画家の意思の及ぶ範囲で、どこからどこまでが偶然の成せる業なのだろうか、というヴィジョンに到達する可能性すらあります。

    使うべき色を選び、振るうべき筆を選び、そして、持った筆の腕の自在に任せて円弧を描く。そうすれば、遠心力と重力に従って、筆先の絵具は想うがままに、散るだろう。
    あとは、天に任せればよい。総ては神のみぞ知る、だ。

    そんな事を、画家が考えたかどうか、その実際のところは解りませんが、画家の心中をその様なモノとして想い描く事が出来れば、作品に向かうわたし達のこころは穏やかなモノとなりえます。

    と、いうのは画家の意思の及ばない場所があるのならば、自然の景物や偶然の産物の様に接すれば良いのです。
    そう、巨大な岩に幾筋も奔る亀裂の様に、激しく堰を切って流れ逝く激流の迸りの様に、観るモノが己の主観だけによって、そこから美しさを観出せば良いのです。

    でも、本作品『ブルー・ポールズ(青い柱):ナンバー11 / Blue Poles : Number 11』は違います。
    タイトルにある様に、画面を幾つにも分断する蒼黒い柱状のモノが、大きな謎となって、わたし達の前に顕われます。
    この蒼黒い柱が作品の主題なのだろうか。画家は、いつその構想を得たのだろうか。そして、その柱を際立たせる為に、その他のモノは背景として描かれたのだろうか。
    考えようと憶えば、いつまでもどこまでも謎は増えていきます。
    何故ならば、この蒼黒い柱が、作品の最も手前の層にあるからです。つまり、一番最期に描き加えられているからなのです。

    このジャクソン・ポロック / Jackson Pollockの『ブルー・ポールズ(青い柱):ナンバー11 / Blue Poles : Number 11』が描かれた1952年、もうひとりの画家による蒼の連作が創られます。アンリ・マティス / Henri Matisseの『ブルーヌード(青い裸像) / Nu bleu』です。
    下にその中の一作品『ブルーヌード II(青い裸像 II) / Nu bleu II』を掲載しておきます。



    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 11:37 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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