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オトコノコノコト:シリーズ「電車でGO!」

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    地下鉄のN線とY線は接続が悪くて、どんなに最短距離をダッシュしてもお目当ての電車に乗り遅れちゃう。しかも往路も復路もオンナじだから、バカにしちゃうわ。それでも、たま〜に運良く間に合っちゃうから、やっぱり毎朝毎夕走っちゃう。諦めが悪いんだか、パブロフの犬なんだか、シュレーディンガーの猫なんだか。
    今朝は朝からとっても暑かったから、走る気力はもう全然ないんで、堂々と自分のペースで連絡通路を歩いてホームに下る階段に差し掛かったのね。そしたら、お目当ての電車がいるぢゃなぁい? だったら最初から教えてよぉとか、ワケわかんないこと口走りながら慌てて駆け降り始めたら、そいつは扉を閉めやがった。ちっきしょー。
    ホームに辿り着いて息切らしているわたしをしりめに走り出した車両の窓をふと観てみたら、陽除けのカーテンが降りていた。
    あのオトコノコね!? わたしは何となく楽しくなった。
    朝のその車両はちょうど通学時間にあたっているんでしょう。同じ学生服着た一団がいつも車両の大半を占拠しています。先輩後輩の上下関係が厳しい気風なんでしょう、車両に乗り込んでくる彼らは、同じ制服を着た見知った顔を見つけると、きちんと挨拶をしに行きます。でも、そこは10代の遊びたい盛り、周囲のことなんかお構いなし。うるせぇったらありゃしないってなことも多々あります。
    それでもわたしはその車両に乗ります。わたしの乗り込んだ駅から三駅目のG駅で、彼らは自身のつくり出す喧噪とともに降りてしまうから。きっとそこに学校があるのでしょう。わたしはそのさきへと、もうしばらく乗って行きます。車両の中は、駅員のアナウンスしか聴こえません。

    そのオトコノコに気づいたのは、今年の春でした。オトコノコなんて言うと、きっと本人は思春期特有のナイ−ヴさで、怒り出すでしょうけれども、それこそオトコノコの証拠です。
    さっきの学生服の一団と同じ格好をしているけれども、なんとなく居心地が悪そうです。たぶん、通っている学校が違うんだな、もしかしたら、カレの志望校だったんだけれども、望み適わずってやつかしら?邪推してみます。朝の通勤電車は、暇つぶしに文庫本を読むにはアタマは眠っていて使いモノにはならないけれども、基本的にはヒマです。カレを主人公にした青春物語くらいは、眠そうなアタマが勝手にひねり出してくれます。
    その青春物語はほんのちょっとだけあたっていました。カレは一団と行動を共にすることなく、G駅を通り過ぎても、同じ車両に乗っています。でも、車両が駅を離れると同時に、ヘンな行動を開始しました。

    カレは自身が確保した座席の後ろにある、陽除けのカーテンを次々とおろし始めたのです。
    これが、気怠い西陽が差し込む夏の夕暮れならば、全然当たり前なんですけれども。ここは地下鉄です。
    もう20〜30分も走れば相互乗り入れしている私鉄沿線に出るから、彼の出番です。でも、さっきの家から駅までの道のりを思い出してみると、たしか曇っていたけどなぁ〜。
    わたしが「?」で頭の中を一杯にしていると、カレは座席に後ろ向きに座って、真っ暗の窓の先、正確に言うと、車両の進行方向に目を向けています。それから微動だにしません。

    その日以来、ときどきカレを同じ時間帯の車両で見かける様になりました。いつもカレの行動は同じ。人気のない車両で陽除けのカーテンを次々とおろして、真っ暗な進行方向の闇をひたすら凝視する。
    たまに、乗客が多くて、カレの行動が妨げられる時もありますが。さすがに他の乗客を退けてまで、自身の取りたい行動を完遂しようとはしません。但し、ちょっとカレ、不機嫌なんですけれどもね。

    わたしが今朝、楽しくなったわけ、わかるかしら?
    カレのことをオトコノコと呼んだ意味、わかるかしら?
    るい rui, the creature 4 =OyO= * diaries : by streetcar a-go-go! * 01:24 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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