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『浴槽の裸婦』 by ピエール・ボナール

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    静かな陽射しの中に、柔らかい湯船に身を横たえたその躯は、とても暖かく感じられます。ずうっと、そこに独り。いつまでも、いつまでも。でも、そう感じているのは、静けさと柔らかさと暖かさとに包まれた、彼女だけではありません。この作品を観る誰もがきっとそう想うのに違いないのです。でも、違います。静けさと柔らかさと暖かさを最も体感しているのは、浴槽に浮かぶ彼女を描く画家、そのヒトなのです。


    作品名:浴槽の裸婦
        Nu Dans le bain
    画 家:ピエール・ボナール
         Pierre Bonnard
    美術館:パリ市立プティ・パレ美術館フランス共和国パリ
        
    Petit Palais, Musee des Beaux-Arts de la Ville de Paris, Paris, France

    実はこうして、この作品に関する文章を綴ろうと想って、ネット上で、本作品の紹介記事を捜したり調べている間、ちょっと困った事態に遭遇してしまったのでした。
    と、いうのは、それぞれの記事に掲載されている作品画像を観る度に、この作品の印象が随分と様変わりしているのです。
    配色が濃かったり淡かったり、肌理が細かかったり粗かったり。

    それ自体はよくある事で、そこで掲載されている画像の大小や画質と、その処理で左右される問題です。そんな場合は、いくつもいくつも同じ作品の様々な画像を観比べて行けば、自ずと正解が観えて来ます。

    でも、今回に限っては、そうはならなかったのです。
    その違いによって、作品そのものの持つ印象そのものも、悉く変わって観えてしまうのです。
    もの凄く熱い湯船に入ったばかりの様に観える画像もあれば、水の様に緩い湯にとてもながい時間入っている様にも観えてしまう画像もあります。その一方で、湯船の中の裸婦の心情が、様々なモノに観えるのです。日々の些細な幸せに浸る女性にも観えるモノもあれば、それとは逆に、孤独の一文字しか思い浮かばないモノもあります。
    だから、いつもまでたっても、いくら観比べても、正解に辿り着けないのです。

    なぜなのでしょう。
    実は、以前に同じ画家の作品『裸婦 / Nu Feminino』を紹介した際にも、同じ様な印象を抱いたのです(その記事はこちらで読めます)。わたしにとってその作品は、観る度に異なる表情をした女性に出逢えるのです。

    だから、上に掲載した画像は、そおゆう作品であって欲しいなという願望を込めて、それに相応しい画像を探し求めた結果です。つまり、ホンモノを観た事のある方から観れば、随分と頓珍漢な印象を綴っている様に想われるかも知れません。

    しかも、ひとつのイメージに相応しいモノを選んだのに、です。
    それにも関わらずに、この上の掲載画像ひとつ採っただけでも、観る度に印象が異なる様な気がします(しませんか?)。

    ピエール・ボナール / Pierre Bonnardは、印象派 / Impressionnismeに影響されて登場してきた画家で、そのせいか、ジャポニスム / Japonisme風の作品をいくつも遺しています。
    なので、印象派 / Impressionnisme登場以前に顕われて、ジャポニスム / Japonismeな作品を幾つも描いた画家、アルフレッド・ステヴァンス / Alfred Stevensによる『風呂 / Le bain』を下に掲載します。



    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 12:15 * comments(2) * trackbacks(0) * -

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      comments

      >接待のマナーさん

      コメントありがとうございます。

      お閑な時に、またいらっしゃって下さい。
      お待ちしております。
      Comment by るい @ 2012/05/05 9:04 PM
      とても魅力的な記事でした!!
      また遊びに来ます!!
      ありがとうございます。。
      Comment by 接待のマナー @ 2012/05/05 2:18 PM
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