<< December 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 短歌:去年ノ降雪ノ夜ヲ憶ヒテ詠メル | main | 詩『残雪:To New York』 >>

『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』 by パブロ・ピカソ

0
    夜の闇を幾羽もの鳥が飛び交っている。そんな幻想を抱いてしまいたくなる程に、ここに描かれている闇の光景は、喧噪と熱気に包まれている様に観える。誰しもがさえずり、誰しもが語らう。そして、そこで発せられるモノの殆どは、己の本心とは遥かに異なったモノなのだ。欲望と欲求に瞳を潤ませながらも、決して、それを見透かされてはいけない。そんな、暗黙の了解が、この場を支配しているのだ。


    作品名:ムーラン・ド・ラ・ギャレット
        Le Moulin de la Galette
    画 家:パブロ・ピカソ
        Pablo Picasso
    美術館:グッゲンハイム美術館アメリカ合衆国ニュー・ヨーク
        The Guggenheim Museum, New York, USA


    一見すると、ムーラン・ド・ラ・ギャレット / Moulin de la galetteを画題にしていくつもの作品を生み出した、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / Henri de Toulouse-Lautrecの様な後期印象派 / Postimpressionnismeに属するモノの様に観えます。そして、その一方で、艶かしくも悩ましい生と性の描写から、エドヴァルド・ムンク / Edvard Munchの様な表現主義 / Expressionismusに属するモノの作品にも観えてしまいます。
    だけれども、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / Henri de Toulouse-Lautrecでもエドヴァルド・ムンク / Edvard Munchでもありません。

    そして、画家の名前を観て吃驚してしまいます。パブロ・ピカソ / Pablo Picassoなのです。
    彼が、この様な画風の作品を描いていた、先ず、その事実に驚かされてしまうのです。

    しかも、制作年が1900年だから、彼はこの年、未だ19歳なのです。つまり、『二十歳の自画像(青の時代の自画像) / Autoportrait, 1901』 [こちらで紹介済みです] に代表される青の時代 / Blue periodよりも、以前の作品なのです。

    画題のムーラン・ド・ラ・ギャレット / Moulin de la galetteは、先にあげたアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / Henri de Toulouse-Lautrecを代表格に、様々な時代、様々な表現手法で、描かれてきました。
    その数々ある作品群の中で、最も有名なのがピエール=オーギュスト・ルノワール / Pierre-Auguste Renoirの『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場 / Bal du Moulin de la Galette』、1876年の作品です。
    この作品は、前景の人物群にあたる木漏れ陽の描写が印象深い様に、昼のムーラン・ド・ラ・ギャレット / Moulin de la galetteの情景です。
    ですが、パブロ・ピカソ / Pablo Picassoのこの作品は明らかに夜。しかも、日時の違い以外にも、ピエール=オーギュスト・ルノワール / Pierre-Auguste Renoirの作品には決して観る事の出来ない叙景となっています。

    だから、この作品だけを観ていると、パブロ・ピカソ / Pablo Picassoがこの作品で試みた表現手法をさらに突き詰めていけば、どんな画家になり、どんな作品群を産み出したのだろうか、そんな感慨をふと、抱いてしまいます。

    下に掲載するのは、パブロ・ピカソ / Pablo Picassoの作品からさらに2年後のムーラン・ド・ラ・ギャレット / Moulin de la galetteを描いた作品。
    ペレ・イセルヌ・イ・アリ / Pere Ysern i Alie [正しい日本語表記が解りません、間違えていたら訂正願います] 描く『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場 / Bal au Moulin de la Galette』[こちらの邦題もわたしがつけました、正しい邦題があるのならばお教え願います]。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 11:33 * comments(2) * trackbacks(0) * -

    スポンサーサイト

    0
      スポンサードリンク * - * 11:33 * - * - * -

      comments

      > M. koarashiさん

      お捜しの作品か否かは判断はつきかねますが、拙ブログでは、ピエール・ボナールの『裸婦』は、http://rui4oyo.jugem.jp/?eid=1096 で紹介しています。
      Comment by るい @ 2018/07/29 4:46 PM
      サンパウロ美術館のボナールの「裸婦」の画像はありませんか?
      Comment by M. koarashi @ 2018/07/29 2:34 PM
      entry your comments









      trackbacks

      このページの先頭へ