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詩『雨を呑むもの:Drinking Rain』

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    Hに

    雨がやむことを忘れてしまってから、はたしてどれほどの時がたったのか
    ごうごうというおおきなおとをたてて、降りつづいているそれは
    わたしが産まれて以来の光景なのかもしれない

    ごうごうというおおきなおとは、わたしのはるかな頭上からきこえる
    雨が降ることを知ってはいても、雨というものをわたしはみたことはない
    倒壊したいくつもの建築物をなぎ倒し、植物はみるみる育つ
    おおきなおおきな葉々とふといふとい幹がいくつも連なり
    わたしは太陽というものの存在をしらない

    たかくたかく貫いた巨木の遥か上空に、うすい膜があるという
    たえず降りつづける雨は、その膜にその身を打ちつづけているのだ
    ごうごうというおおきなおとは、うすい膜がみぶるいしている証拠なのだ
    あの音が聴こえつづけるかぎり、われわれは安泰なのだ
    だが、そう語る古老でさえも、なぜそこに膜があるのかは知らぬ
    なぜ雨が降りつづけているのかも知らぬ

         〜〜*〜〜*〜〜

    膜に行手を遮られてその身がくだけちった雨は、今度はその膜の上をながれてゆく
    ながれてゆく雨だったものは、いつしか激しい濁流となって膜の上をながれてゆく
    濁流となったいく筋ものそれらは、いつしかおおきなうねりを呼んでながれてゆく

    そんな雨の末裔を、ひとのみに呑みつづけているものがいるのだ
    膜はただ一点を目指している そのものの口元、そして喉へと向かうのだ
    眼も鼻もないおおきな唇がひとつ、雨の末裔で濡れる
    その奥にある喉がおおきくたえまなく蠢き、ごくごくごくと呑込んでゆく
    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:59 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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