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映画『死刑台のエレベーター』(原題:ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD)

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    犯罪に手を染める、二組の男女の物語。
    一組は不倫の果てに、完全犯罪を目論む美貌の社長夫人フロランスと彼女の夫の会社に勤務する技師ジュリアン。
    もう一組は、若さだけを頼りに夜の街を無軌道に疾駆しようとする幼い恋人達ベロニックとルイ。
    本来ならばすれ違いすらしない二組の行動が、互いに交差して悲劇を生み出す。

    それは週末の一夜。夫人の恋人は、ただ独り己の会社に居残って働いている彼女の夫を殺害し、皆が出社する月曜日まで屍体が発見されないその間に彼女とのアリバイ工作をする予定だった。バルコニーから社長室に侵入して、社長を殺害、拳銃自殺を偽装して密室となった社長室から逃亡する予定だった。あと、数十分後には恋人と合流して、成功を祝す予定だった。
    しかし、たったひとつの過ちから社屋の停止したエレベーターに独り取り残されてしまう。休日の為、電源を切られたのだ。
    技師の必死の脱出劇が始まる。
    その一方で、幼いカップルは乗り捨てられた(技師の)クルマを盗み深夜のドライブへとくり出すが、図らずもダッシュボードに隠された拳銃を発見してしまう。
    そして、最期の一人、社長夫人は約束の時間となっても恋人が来ない為に、疑惑と不安から行く宛もなく深夜のパリを彷徨う。

    決死の脱出を試みるジュリアン(モーリス・ロネ / Maurice Ronet


    映画は、暴走するカップルと引き裂かれたカップルを追い、パリの闇と孤独を描き出す。
    互いの孤独の溝を埋められないが故に闇雲にクルマを疾走させる若いふたり。閉鎖された闇の空間に閉じ込められた恐怖と不安と必死で戦い脱出を図る男。己の預かり知らないところで起こっている事件の予感と募り行く恋人への不信を押し停められない女。
    ほんの一瞬の交錯が4人各々のおもいとは別の方向に物語を転じさせ、予想外の結末をもたらす。

    そして、やはりわたしもここで特筆せざるを得ない。4人のこころに沈んでいく澱を冷静に凝視めているのは、この映画の音楽を担当したマイルス・デイヴィス / Miles Davisだ。情感を殺していながらも、わたし達のこころの奥底に鋭い匕首を突き刺すトランペットの響き。フィルムのラッシュ映像を観ながら、ほとんど即興的に演奏されたと言うこの音楽は、映画のモードを常に支配している。

    パリを放浪する間、社長夫人の常に大きく開かれている黒い美しい瞳は、恋人の真実を探し求めている。これまで犯罪への関与を否定していた彼女の瞳は、しかし映画のラストで、否定出来ない現実を突き付けられて、そこで初めて虚空を彷徨う。

    パリを彷徨うフロランス(右:ジャンヌ・モロー / Jeanne Moreau


    『死刑台のエレベーター』
    原題:ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD

    1957年 仏映画 モノクロ

    監督: ルイ・マル / Louis Malle
    製作:イレーネ・ルリシュ / Irenee Leriche
    原作: ノエル・カレフ / Noel Calef
    脚本: ロジェ・ニミエ / Roger Nimier ルイ・マル / Louis Malle
    撮影: アンリ・ドカエ / Henri Decae
    音楽: マイルス・デイヴィス / Miles Davis
     
    出演:
    ジュリアン / Julien:モーリス・ロネ / Maurice Ronet
    フロランス / Florence:ジャンヌ・モロー / Jeanne Moreau
    ベロニック / Veronique:Y・ベルダン / Yori Bertin
    ルイ / Louis:ジョルジュ・プージュリー / Georges Poujouly
    警部 / Inspector:リノ・ヴァンチュラ / Lino Ventura


    解説
    あらすじ




    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : cinema * 03:32 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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