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ダンサー・イン・ザ・ダーク(原題:Dancer in the Dark)

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    貧困にあえぎ、無実の罪で誤縛され、あえてその罪を受け入れて絞首される、シングル・マザーの悲劇を描いたミュージカル

    不治の眼病を患い徐々にその視力を失いつつある主人公は、その病魔が一人息子にも及ぶ事を怖れて、僅かな給料からこつこつと治療費を貯える毎日。彼女のこころの支えはその一人息子と音楽。素人劇団でミュージカルの舞台に立つ事を夢見る。
    しかし、その彼女に次々と不幸が押し寄せる。視力の衰えから業務上の失敗が相次ぎ、その結果、失職してしまう。さらに、信頼していた隣人の警官に騙されていた事が発覚し、その諍いから過って彼を殺してしまう。
    だが、殺人罪で逮捕された彼女は、彼の名誉を守る為に一切を引き受けて裁判でも真実を黙して語らない。そして、絞首台に上る日がやってくる...。

    Bjork(as Selma Jezkova : left) & Catherine Deneuve(as Kathy : right)


    ところで、ミュージカルを苦手とするヒトビトはよく、いきなり唄い出しちゃってそんなの現実にあり得ないからついて行けないという理由をあげる。タモリさんとかもよくMステとかでそう語っています(音楽は自体は大好きなのにね)。
    でも、この映画は、物語から音楽への移行が素晴らしい。主人公が孤独を感じたり疲弊を感じたりした時に、かすかに聴こえる様々なものおと、風のゆらめきや木々のささやきや鳥達のさえずり、また、彼女が勤める工場で鳴り響く歯車のうなりやピストンのきしみや油圧管のうめきや、そういったものおとが重なりあって次第に音楽が生み出されて行く。それは、現実生活では素人劇団ですら端役ももらえぬ彼女が、空想のステージで主役を演じる時なのだけれども。

    でも、そんな事はわたし達自身の生活もそんなもんでしょ? 悲しい時や嬉しい時、感情が昂揚りだすと、こころの中にわたし達だけの音楽が鳴り響く。

    貧困(と恐らく無知)が生み出す悲劇の中で、機械油まみれの職場の一角や、自宅と職場を結ぶ細い橋の上や、はては絞首台も、彼女の淋しい人生にとっては灯の当たる特設ステージになる。美しい物語とか、悲しい物語とかではなくて、実は愚かなオンナの物語かもしれない。
    何故、そんな人生を受け入れて死に赴けるのだろうか、とも思う。現実から眼を背けて空想に遊び、その結果、無実の罪で死ななければならない。
    でも、だからこそ、彼女が唄い踊るシーンは、ほんとうに美しい。
    その主人公を演じたのはビョーク / Bjork 。彼女の声とうたがあって初めて成立した映画かもしれない。

    Bjork(as Selma Jezkova) into her daydream


    なお、この映画の技法はドグマ 95 / dogme 95の「純潔の誓い」によっているのではないか、との事です。


    ダンサー・イン・ザ・ダーク
    原題:Dancer in the Dark
    2000年 デンマーク映画
     

    カンヌ国際映画祭 / FESTIVAL INTERNATIONAL DU FILM DE CANNES 2000
    パルム・ドール / Palme d'Or受賞: ラース・フォン・トリアー / Lars von Trier
    主演女優賞受賞: ビョーク / Bjork

    監督:ラース・フォン・トリアー / Lars von Trier
    製作:ヴィベク・ウィンドレフ / Vibeke Windelov
    製作総指揮:ペーター・オールベック・イェンセン / Peter Aalbak Jensen
    脚本:ラース・フォン・トリアー / Lars von Trier
    撮影:ロビー・ミューラー / Robby Muller
    振付:ヴィンセント・パターソン / Vincent Paterson
    音楽:ビョーク / Bjork
     
    出演:
    ビョーク / Bjork as セルマ / Selma Jezkova
    カトリーヌ・ドヌーヴ / Catherine Deneuve as キャシー / Kathy
    デヴィッド・モース / David Morse as ビル / Bill Houston
    ピーター・ストーメア / Peter Stormare as ジェフ / Jeff
    ジョエル・グレイ / Joel Grey as オールドリッチ / Oldrich Novy
    ウド・キア / Udo Kier as ポーコルニー医師 / Dr. Porkorny
    ステラン・スカルスガルド / Stellan Skarsgard as 医師 / Doctor


    解説
    あらすじ





    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : cinema * 03:20 * comments(4) * trackbacks(4) * -

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      comments

      >miyukichiさん
      TBとコメントありがとうございます。

      個人的には、彼女の童女の様なヴィジュアルも関係していると思うんですが...。
      ビョークの俳優としての次回作ってのは、ないんでしょうか?
      Comment by るい @ 2006/08/26 12:55 AM
       こんばんは♪
       TBどうもありがとうございました。
       よろしくお願いします◎

       ミュージカルシーン、よかったですね。
       おっしゃるように、ビョークがいたからこそ
       成り立った映画なように
       私にも思えました。
       それくらい、彼女はよかったです。
      Comment by miyukichi @ 2006/08/25 9:53 PM
      >David Gilmourさん

      はぢめましてです。
      こちらこそ、トラックバックとコメント有り難うございます。

      映像的には
      >貨物列車の上でのミュージカル・シーン
      が、一番華やかで躍動感があって、その上、物語の上でも救いがあって素晴らしいシーンでしたね。

      今後ともよろしくお願い致します。
      Comment by るい @ 2006/06/25 3:17 PM
      はじめまして、返信トラバありがとうございました。
      この映画は、貨物列車の上でのミュージカル・シーンが一番感動しました。
      それでは、今後ともよろしくお願いします。
      Comment by David Gilmour @ 2006/06/25 2:18 PM
      entry your comments









      trackbacks

      ダンサー・イン・ザ・ダーク

       映画(DVD)「ダンサー・イン・ザ・ダーク」    映画初出演のビョーク主演で話題になった映画です。  2000年のカンヌ映画祭では、パルム・ドールも受賞しています。  (ビョークは、主演女優賞も受賞)    なんてウンチク語りながらも、  話題にもなったこの
      From miyukichin' mu*me*mo* @ 2006/08/25 2:44 AM

      「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

      「奇跡の海」(96年)や「ドッグヴィル」(03年)などの作品で知られるデンマーク出身の映画監督、ラース・フォン・トリアーが2000年に撮った異色ミュージカル映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(デンマーク、140分、脚本=L.V.トリアー、音楽=ビョーク)
      From シネマ・ワンダーランド @ 2006/06/24 10:59 PM

      ダンサー・イン・ザ・ダーク

      公開当時、結構話題になりましたよね。 ビデオで観ました。 シングルマザーのヒロインが失明の運命にあり、 しかも息子も同じ運命を迎えることを知り 彼女は馬車馬のように働き、倹約に倹約を重ねて 何とか息子の手術のお金をためようとする。 しかし映画
      From 映画、言いたい放題! @ 2006/05/07 1:57 PM

      (今日の映画)ダンサー・イン・ザ・ダーク

      ダンサー・イン・ザ・ダーク DANCER IN THE DARK
      From Kozmic Blues by TM @ 2006/04/30 8:07 PM
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