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『塔のある風景』 by ワシリー・カンディンスキー

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    一切の情報も与えずに、黙って、この作品をみせられたら、ヒトは、一体、なんと思うのだろうか。
    そんな危うさがこの作品にはある。
    長閑な田園風景の様にもみえるし、その逆に、どこかにナニか危機感やら不安感を煽る様なところもある。
    そして、恐ろしく稚拙な作品でしかない様な気もする一方で、どこかそんな技術や技巧を突き抜けたところにある様な気もする。
    だから、画家の名前をここで告げればきっと、誰もが驚きながらも、安心するのに違いないのだ。


    作品名:塔のある風景
        Murnau. Landscape With A Tower
    画 家:ワシリー・カンディンスキー
        Wassily Kandinsky
    美術館:パリ国立近代美術館ポンピドゥー・センター
        フランス共和国パリ
        Musee National d'Art Moderne, Centre Pompidou,
        Paris, France


    1908年の制作です。
    画家はまだ、その後に名を馳せる事になる抽象絵画 / Abstract Artには開眼していません。
    当時の新しい潮流のそのひとつである青騎士 / Der Blaue Reiterに属していた時代の作品です。

    原題にあるムルナウ / Murnauとは、当時の画家がガブリエレ・ミュンター / Gabriele Munterと暮らしていた地域、ムルナウ・アム・スタッフェルゼー / Murnau am Staffelseeの事です。
    ですが、この作品に描かれている光景と同じモノがムルナウ・アム・スタッフェルゼー / Murnau am Staffelseeにあったとは謂い難い様です。と、謂うのも、この時代の画家の作品に顕れる風景の殆どは、画家の空想の産物であった、と謂うからです。

    また、筆を用いずにパレットナイフ / Palette Knife直接、画布に絵具を塗り込める / Painting By Pallet Knivesと謂う、当時としては画期的な画法を積極的に用いていたと謂れています。
    だから、この一見、長閑にみえる(そして稚拙とも思える)この作品も、わたしには気づかない幾つもの試みが為されているのかもしれません。

    個人的には、画面左手前にみえる明るい色と、そこから奥に延びている塔のある建築物、このふたつの斜線が、不気味に思えるのです。
    なぜだか、そこからぱっかりと、画面がみっつに分割されて、全然異なるモノが登場しそうで。

    下に掲載するのは当時のワシリー・カンディンスキー / Wassily Kandinskyの、公私共々のパートナーであったガブリエレ・ミュンター / Gabriele Munter描く『あかいリボンの少女 / Girl With A Red Ribbon』(邦題は拙訳です)。
    1908年、つまりワシリー・カンディンスキー / Wassily Kandinskyの『塔のある風景 / Murnau. Landscape with A Tower』と同時季の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 05:20 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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