<< October 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< happy valentine 2015 | main | 詩『みずをくむ:Draw And Bring Water For』 >>

『赤い木』 by ピエト・モンドリアン

0
    青空を背景に、朱に染まる巨樹が1本。1枚も葉がないところをみれば、冬の景色かそれとも、既に枯死してしまった老樹なのか。
    文字通りに、この樹木が刻んだ年輪に想いを馳せれば、如何様なる物語も紡ぎだせるとは想えるが、画家がこの樹に観ているのは、決してそれらではない。


    作品名:赤い木
        Avond ; De rode boom
    画 家:ピエト・モンドリアン
        Pieter Cornelis Mondriaan
    美術館:ハーグ市立美術館オランダデン・ハーグ
        Haags Gemeentemuseum, Den Haag, Nederland


    この作品だけを差し出して、画家の名前を告げれば、意外な面持ちをしてしまうのかもしれません。
    だけれども、画家が提唱した新造形主義 / Nieuwe beeldingを知るモノならば、きっとどこかでこの作品を観ている筈です。

    画家が新造形主義 / Nieuwe beeldingに至る過程に描いていた樹の習作の、その中のひとつ、しかも最初期のひとつなのです。

    例えば、画家の評伝や経歴を伝えるモノをみるとそこの片隅に、この作品を含む樹の作品がいくつも並べられています。それらの作品群を発表時代順に観ていくと、あるひとつの方向へとまっすぐに向かっている事が分かります。
    そこに描かれている樹が、一本のその樹から次第に個別性や独自性を排除されていって、樹というモノとか樹というカタチと謂う抽象的な存在となり、さらには、樹である事すらも喪わされていって、最後には、いくつもの直線が交錯する絵画作品へと到達する。
    つまり、わたし達のよく知っている"ピエト・モンドリアン/ Pieter Cornelis Mondriaan"に辿り着くのです。

    本作品は1908年から1910年にかけての作品で、どこからどうみても樹であって、不思議な印象を抱かせられるのは、その配色くらいでしょうか。ただ、邦題には反映されていませんが、原題にはこの作品が夕刻のモノである事がきちんと表記されています。つまり、夕陽に照らし出されている巨樹を描いた作品なのです。

    下に掲載するのはグスタフ・クリムト / Gustav Klimtによる『黄金の林檎の木 / Golden Apple Tree』。1903年の作品です。
    グスタフ・クリムト / Gustav Klimtグスタフ・クリムト / Gustav Klimtで、樹の表現は次第に紋様の様な描写へと転化していきます。ピエト・モンドリアン/ Pieter Cornelis Mondriaanとは全く異なる抽象的な表現へと。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:21 * comments(0) * trackbacks(0) * -

    スポンサーサイト

    0
      スポンサードリンク * - * 10:21 * - * - * -

      comments

      entry your comments









      trackbacks

      このページの先頭へ