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詩『みずをくむ:Draw And Bring Water For』

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    HKに

    みずをくんできて おさないころによくきいたことばだ 同居していた祖母のたのみごと ねたきりの祖母のおねがいだ 食後、くすりをのむのに必要なのだ それはだれにともなく だれとも限定せずに発せられたことばなのだ

    たいがいは母が家事をやすめてはこんだろうか ねたきりなのにその声はおおきく 家のどこにいてもきこえる

    たん、とたって母はおだいどこにいき、蛇口をひねってコップにそそぎ祖母のもとへと無言ではこぶ

    あるひ、わたしがはこぶことになった 母もてがはなせなかったのだろう

    わたしはちいさなわたし専用の椅子をかかえ、流し場までもっていく それがなければ蛇口までてがとどかない
    おいた椅子にたちあがっててをのばし、蛇口をひねって祖母専用のガラスコップにみずをそそぐ そうしてさっきの動作をぎゃくの手順でくりかえす さいごにゆっくりとからだのむきをかえて椅子をおりればいい

    ひねった蛇口からそそがれたみずはガラスコップにみちみちて、すこしうごくといまにもこぼれる
    ふだんのわたしからは想像もできないようなゆっくりとしたふるまいだ

    キッチンをでて祖母の部屋、ごくわずかのせまいいえのなかを、わたしはゆっくりとおそるおそるにあるいてゆく まるでつなのうえ、サーカスの天幕のはるかな上をあるかされるピエロのようだ ながいながい棒でバランスをとる代わりに、こぼれそうなガラスコップのみずで、わたしはまっさかさまにおちてしまいそう

    おぼえているのはそこまでだ 祖母もいないし、一杯のみずを所望する相手もいない
    冷蔵庫をあければそこにペットボトルがあってそこからそのままごくごくごくとのんでしまえばいい

    それでおしまい どっとはらい
    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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