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『アルマ・マーラーのための扇 第3扇』 by オスカー・ココシュカ

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    扇 / Facherの画面は3分割されていて、いずれの画面にも1組の男女が登場する。
    左面には馬車に乗る男女、右面には観劇中の男女、そして中央面には、全裸で抱擁する男女が描かれている。
    これはこの作品の主人公である男性が、もう一方の主人公である女性にむけて贈った品物であり、ふたりの想い出を記録した作品でもある。
    だが、歓びの記録であったこの品が後に、苦しみを産み出す品へと化するのも、そう遠くない先の事だ。


    作品名:アルマ・マーラーのための扇 第3扇
        
    Dritter Facher fur Alma Mahler (Third Fan For Alma Mahler)
    画 家:オスカー・ココシュカ
        Oskar Kokoschka
    美術館:ハンブルク美術工芸博物館ドイツハンブルク
        
    Museum fur Kunst und Gewerbe Hamburg, Hamburg, Deutschland

    この扇 / Facherは画家が当時交際中であったアルマ・マーラー / Alma Mahlerに贈った品で、画家は都合同種の作品を6点制作しています。この作品は3番目の作品、そしてこの作品を制作した1913年に、ふたりはナポリ / Napoliへと旅をしています。
    画家はその記念として、この作品を恋人へと贈った事になります。

    と、同時に、この作品の中央にある抱擁する男女の構図はそのまま、その1年後の1914年に発表される『風の花嫁 / Die Windsbraut』(こちらで紹介済み)の構図へと収斂します。つまり、『風の花嫁 / Die Windsbraut』の習作がこの扇である、とみる事が出来ます。

    だけれども、同じ構図でありながら、画家が込めたモノは全く異なった感情です。
    つまり、ふたりの旅の想い出は、苦く苦しいモノとなってしまったのです。

    風の花嫁 / Die Windsbraut』制作中に、ふたりの関係は破綻。
    画家は制作中のその作品の背景を、情熱の赤から沈痛な蒼へと変えざるを得ませんでした。

    果たしてふたりの関係が破綻して後、画家はこの作品を観る機会はあったのでしょうか。

    下に掲載するのはグスタフ・クリムト /Gustav Klimtによる『扇をもつ夫人 / Dame mit Facher』。1917年の作品です。
    グスタフ・クリムト /Gustav Klimtオスカー・ココシュカ / Oskar Kokoschkaとの交際前に、アルマ・マーラー / Alma Mahlerと交流があった画家です。
    この作品の解説等には一切、触れられてはいないのですが、わたしにはどうしてもこの作品に描かれた女性はアルマ・マーラー / Alma Mahlerにみえてしまうのです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:50 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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