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『聖誕(新生児、又はキリストの降誕)』 by ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

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    闇の中にほのかに灯されたあかりのなかに、3人の人物が浮かび上がる。
    ふたりの女性とひとりの嬰児。ふたりはおそらく、母とその母、祖母なのだろう。
    ふたりがその児をみまもる視線はやわらかく、3人をつつむ光もやわらかい。
    そしてなぜだか、かれらをおしつつむ闇もまた、やさしさにみちている様におもわれる。


    作品名:聖誕(新生児、又はキリストの降誕)
        Nouveau-ne
    画 家:ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
        Georges de La Tour
    美術館:レンヌ美術館フランス共和国レンヌ
        Musee des beaux-arts de Rennes, Rennes, France


    1648年から1651年頃の作品。

    画題を信じれば、本作品に描かれているのは、イエス / Iesus Nazarenusマリア / Mariaアンナ / Anna。児と母と祖母です。
    だけれども、それを裏付ける表象の様なものが一切、ここには描かれていません。彼らの衣服も、作品が描かれた当時のモノの様に思えます。
    ある特定の宗教、もしくはある特定の人物達を描いた作品と謂うよりも、もっと普遍的なモノを描いた様にも思えます。
    親と子、母と子、そしてその母。
    純粋にそれを描いた作品と看做してもいいのではないでしょうか。

    敢えて謂えば、この3人を照らし出す光源の所在が謎で、祖母の膝元にそれはあらねばなりません。
    しかし、それは果たして物理的に可能なのだろうかとも思えます。
    それを理由にこの3人の聖性を認める事も可能なのかもしれません。

    そして、そんな光源の所在が祖母のかざす右腕で隠された結果、わたしにはそれとは別の光源が強く印象に遺るのです。
    それは、ふたりの女性の瞳です。
    やわらかいよっつの眼差しのおりなすやさしさ、本作品からそれが強く感じられるのです。

    下に掲載するのはヘールトヘン・トット・シント・ヤンス / Geertgen tot Sint Jansによる『キリストの降誕 / The Nativity At Night』。1490年頃に描かれました。
    闇の中に浮かび上がる聖母子像 / The Virgin And Childを捜して、この作品に出逢えました。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 11:04 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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