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『みずからの純潔性に姦淫された若い処女』 by サルバドール・ダリ

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    窓辺に身を持たせ、その女性は空を眺めている。
    青い空、白い雲、はるかに水平線がみえ、そこは海浜に面しているようだ。
    物憂げにみえるその佇まいからは、彼女の表情はうかがえない。
    下半身は、ストッキングを穿いている様だが、少なくとも上半身ははだかだ。
    空中に幾つも / Rhinocerosの角 / Hornが飛翔し、彼女はそれらを誘惑している様にも、それらに陵辱されている様にもみえる。


    作品名:みずからの純潔性に姦淫された若い処女
        
    Jeune vierge autosodomomisee par sa propre chastete
        Young Virgin Auto-Sodomized by Her Own Chastity  
    画 家:サルバドール・ダリ
        Salvador Dali
    美術館:個人蔵
        Private Collection


    1954年の作品。
    白い、歪んだ円錐の様な物体は、澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaの美術評論集『幻想の肖像』によれば、 / Rhinocerosの角 / Hornだそうです。
    と、は謂うものの、あまり生物らしくはないのです。

    もしも仮に、その / Rhinocerosの角 / Hornがなければ、とてもアンニュイに満ちた、情緒的な作品にみえると想います。上半身裸の女性は、何かを待っているとも、何かが終わったものともみえるからです。
    だけれども、 / Rhinocerosの角 / Hornの存在によって、そんな感触はたちどころに奪われてしまいます。

    優雅に飛翔している / Rhinocerosの角 / Hornがある一方で、幾つかのそれらは、彼女の身体と同化している様にみえます。
    それは彼女を陵辱しようとしている様にもみえますし、彼女が大きく下半身をあけひろげている様にもみえるのです。
    そのいずれのイメージはみているうちに交互にあらわれてはきえて、彼女自身の身体も透明になり、いつしか消え果ててしまう様にも思えます。

    そう。
    白い雲から、 / Rhinocerosの角 / Hornが産まれた様にもみえてくるし、彼女が肘を置いている壁も青空に同化していく様にもみえます。
    確かなものは一切、ここにはないのです。

    下に掲載するのは、同じ画家の1925年の作品、『窓辺の少女 / Figura en una finestra (Figure At The Window)』です。
    まるで、上の作品に描かれた女性の、少女時代を描いたモノの様にも思えます。
    姿勢が同じ、だからではなくて、少女の衣服からすけてみえる、その姿態のなまめかしさからです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:55 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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