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『バラ色の裸婦』 by アンリ・マティス

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    バス・ルームの、青いタイルの上に横臥するひとりの裸婦。
    大胆な描線がはしり、明快な色彩がそれをいろどっている、と単純におもえてしまう。


    作品名:バラ色の裸婦
         Le Nu rose (Large Reclining Nude)
    画 家:アンリ・マティス
        Henri Matisse
    美術館:ボルチモア美術館メリーランド州ボルチモア
        
    The Baltimore Museum Of Art, City Of Baltimore,State Of Maryland

    1935年の作品。

    はい、こんな感じ。

    そんな声が聴こえてきそうなくらいに、今ここで、画家が絵筆をはしらせたばかりにみえます。
    いつみても新鮮、いつみても明快、いつみても大胆です。
    そして、これが最初の下書き、ラフなデッサンかと思いきや、これで完成品です。
    ヒトによってはちょっと面喰らいもするし、ヒトによっては騙されたとも思うかもしれません。

    だけれども、この作品にはそれを理由として沸き起こる批判を押し黙らせるモノが存在するのです。
    それは、本作品の制作過程 / Large Reclining Nude Progressの記録です。
    この作品が今あるかたちで完成作として呈示されるそれ以前の、画家が奮闘していたその記録なのです。

    それをみると、精緻に描かれた裸婦が、徐々にデフォルメされていくその経過を知る事が出来るのです。この作品の域に到達するまでの画家の苦闘の記録です。
    しかも、単純に、複雑で正確な描写が明快で大胆な描写へと一気呵成に向かったのではないのだろうと謂う事もその記録をみると解るのです。
    行きつ戻りつ、試行錯誤もみてとれるのです。

    そしてそれによって、ヒトはあらためて本作品に向かい、なにがしかの感想や印象を抱くのです。

    しかしながら、それでいいのかなぁとわたしはおもったりもします。
    知識や情報の介在しない方法、この作品を一瞥しただけで得られるなにかはないのかなぁ、と。

    下に掲載するのはスタンリー・スペンサー / Stanley Spencerによる『ヌード 1935年(パトリシア・プレス) / 1935 Nude (Patricia Preece)』(邦題は拙訳です)。同じく1935年の作品です。
    同種の画題で、上の作品とはまったく逆の方向を狙った作品を選んでみました。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:24 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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