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『いかさま師 (ダイヤのAを持った)』 by ジョルジュ・ド・ラ・トゥール

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    卓を囲んでいる3人の男女が、カード・ゲームに興じている。
    画面中央に座る女性が、向かいに座る男性から1枚のカードを抜こうとしている。
    猜疑心の表情を浮かべた女性に対し、手札を差し出す男性の顔はなにやら、ほくそ笑んでいる様にみえる。
    何故ならば、彼は背後にカードを2枚、隠し持っているからだ。


    作品名:いかさま師 (ダイヤのAを持った)
        Le Tricheur a l'as de carreau
    画 家:ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
        Georges de La Tour
    美術館:ルーブル美術館フランス共和国パリ
        Musee du Louvre, Paris, France


    1635年から1638年頃の作品で、上に記した様に、ルーブル美術館 / Musee du Louvre所蔵作品です。

    ですが、これと全くよく似た、同じ画家の作品がキンベル美術館 / Kimbell Art Museumに所蔵されています。
    そちらの制作年は1632年から1635年頃とされていて、ふたつの作品の違いは、男性が背後に隠し持つカードだけの様に思えます。
    登場する人物達、その衣服、その表情、まるっきり同じで、この作品の題名であるいかさまを裏付ける証拠物件だけが、巧妙に差し替えられている様にみえるのです。
    だから、作品名も『いかさま師 (クラブのAを持った) / Le Tricheur a l'as de trefle』とされています。

    この、あまりにもよく似た2作品があるだけで、作品の画題が、より強調されている様にも思えます。

    ところで、騙す側と騙される側の身振りや表情があまりにもあからさまであるのに比較して、卓の向こうで給仕している女性の表情が、とても意味深なモノにみえます。
    彼女は一体、何をみて、何を知っているのでしょう。

    そんな風に思えてしまうのもきっと、ゲームにいそしむもうひとりの人物が、極めて無表情に描かれているからです(この人物の表情がある故に、騙す側と騙される側それぞれが、より強調されてみえるのではありましょうが)。

    下に掲載するのは同種の画題である、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ / Michelangelo Merisi da Caravaggioによる『トランプ詐欺師 / I Bari』。
    1598年頃の作品で、キンベル美術館 / Kimbell Art Museum所蔵作品です。
    ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ / Michelangelo Merisi da Caravaggioの同種の画題の作品がルーブル美術館 / Musee du Louvreに所蔵されていれば、面白いのですが。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:11 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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