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『ブレダの開城(槍)』 by ディエゴ・ベラスケス

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    勝者の槍は、誇らしくも勇しげに天を突き、敗者のそれは打ちひしがれて疲労感に満ちている。


    作品名:ブレダの開城(槍)
        Las lanzas o La rendición de Breda
    画 家:ディエゴ・ベラスケス
        Diego Rodriguez de Silva y Velazquez
    美術館:プラド美術館スペインマドリード
        Museo Nacional del Prado, Madrid, Espana


    描かれているのは、スペイン / Espanaからオランダ / Nederlandが独立する契機となった八十年戦争 / Guerra de los Ochenta Anosのある情景です。
    1625年、陥落しスペイン / Espanaの軍門に下った都市ブレダ / Bredaが開城するその光景です。

    作品が描かれたのは1634年から1635年にかけて、ちょうど10年後の事となります。

    画面右から奥に向かって連なっているのがスペイン / Espana側、その反対の画面左から手前に並ぶのがオランダ / Nederland側です。

    画面中央にふたりの人物がいます。
    左側、身を屈め大きな鍵を差し出しているのがオラニエ公マウリッツ・ファン・ナッサウ / Maurits van Oranje、そしてその右、彼を労わるかの様に彼の肩に掌をそえているのがアンブロジオ・スピノラ / Ambrosio Spinolaです。
    敗者を貶めるのではなく、寛大なこころをもって相対する、その姿が本作品の主題なのでしょう。

    ひとつ気になる事があります。
    画家はスペイン / Espanaの人間です。
    なのに、この作品はそのスペイン / Espanaが奥にあり、敵が手前に描かれています。
    スペイン / Espana側の視線で何故、この作品が描かれていないのか。ふと、そんな疑問を抱いていしまいます。

    でも、もし仮にスペイン / Espana側の視点で描いたとしたら、敗者の態度や行為に視線を投げかける事になって、作品の主題は敗者の態度や行為となってしまいます。

    勝者の立ち居振る舞いを主眼とする以上、視点は敗者の側にあるべきなのでしょう。

    下に掲載するのはエル・グレコ / El Grecoによる『聖衣剥奪 / Expolio』。1577年から1579年にかけての作品です。
    この作品の背景として描かれている槍の描写が、上の作品に影響を与えていると謂われています。
    と、謂う事は、上の作品は、戦争と謂う世俗的な事件を主題にしているのにも関わらずに、宗教的な高みを狙ったと看做すべきなのでしょうか。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 11:03 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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