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『子羊の聖家族』 by ラファエロ・サンツィオ(ラファエロ・サンティ)

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    子羊にまたがった我が児の身体を、その母はそっと両掌で支える。
    老いたその夫は息子にまなざしを注ぎ、幼児はその視線に気づいて、彼をあおぐ。


    作品名:子羊の聖家族
         Sagrada Familia del Cordero
    画 家:ラファエロ・サンツィオ(ラファエロ・サンティ)
        Raffaello Sanzio (Raffaello Santi)
    美術館:プラド美術館スペインマドリード
        Museo Nacional del Prado, Madrid, Espana


    1507年の作品。

    描かれているのは神の子羊 / Agnus Deiと、幼子イエス / Iesus聖母マリア / Maria, mater Iesu、そして彼の父親であり彼女の夫であるナザレのヨセフ / Iosephusです。
    彼等を描いた画題、聖家族 / Sacra Familiaは幾つも幾つも存在するのですが、それらを前提にしてみていると、少し不思議な心持ちになります。

    それは描かれている3人と1匹の視線の行方なのです。

    母である聖母マリア / Maria, mater Iesu幼子イエス / Iesusに向けるまなざしはいたって自然なモノです。聖母 / mater Iesuとしてキリスト / Christusをみまもるモノであると同時に、母が我が児にむけるモノでもあります。

    しかし、幼子イエス / Iesusナザレのヨセフ / Iosephusの視線の交錯がとても不思議なのです。特に、父親のそれが。
    彼の険しい表情は一体、何を物語っているのか。そして、それに応える幼子イエス / Iesusの表情は一体、何を物語っているのか。

    俗っぽい事を考えれば、この幼子が自身の息子や否やを疑っている様にもみえます。
    また、その一方でナザレのヨセフ / Iosephusの生業は大工なので、神の子羊 / Agnus Deiと戯れる彼がその職を継がないのではと疑っている様にもみえます(実際に彼は大工にならずに、"羊飼い / Shepherd"になるのですが)。
    そして、さらには、彼の非業の死を予見している様にもみえるのです。

    だから、神の子羊 / Agnus Deiはきっと、それを知っているが故に、目をそらしているのでしょう。

    下に掲載するのは同種の画題、フランツ・イッテンバッハ / Franz Ittenbachによる『聖家族 / The Holly Family』。時代はぐっと下って1868年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:39 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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