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『つかの間の命』 by バルデス・レアール

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    半ば破壊され、乱雑に置かれた器物を指し示しながら、その髑髏は誇らしげである。


    作品名:つかの間の命
        In Ictu Oculi
    画 家:バルデス・レアール
        Juan de Valdes Leal
    美術館:カリダー施療院(カリダード施療院)スペインセビリア
        Hospital de la Caridad, Sevilla, Reino de Espana


    1670年から1672年にかけての作品。

    ハンス・ホルバイン(子) / Hans Holbein The Youngerの『大使たち / Jean de Dinteville And Georges de Selve (Die Gesandten / The Ambassadors)』(こちらで紹介済み)に、滲み出る様に顕れた髑髏が、その部屋を思う存分に破壊してしまった様な印象を受けます。と、謂うのはその作品に描かれている幾つもの器物と同種のモノが、本作品の中に散見されるからです。
    と、謂う事は、逆に『大使たち / Jean de Dinteville And Georges de Selve (Die Gesandten / The Ambassadors)』と本作品とは画題が通底していると看做す事ができるのでしょうか。

    本作品の画題を死を想え / メメント・モリ / Memento Moriであると理解するのは容易いと思います。
    だけれども、それをそのまま受け取ると、本作品が掲げられている場所が疑問となります。

    この作品は、カリダー施療院(カリダード施療院) / Hospital de la Caridadにあるのです。
    つまり、病人や怪我人、もしくは貧者が救済を求めて集う場所です。そんな場所で死を想え / メメント・モリ / Memento Moriと謂う画題はいささか強烈で刺激が強すぎるのでは、と思えてなりません。

    カリダー施療院(カリダード施療院) / Hospital de la Caridadには幾つもの美術作品が掲げられています。その殆どはバルトロメ・エステバン・ペレス・ムリーリョ / Bartolome Esteban Murilloの『聖イザベルの施療 / Santa Isabel de Hungria curando a los tinosos』(こちらで紹介済み)の様に慈善を主題とした作品です。その中にあって、本作品と本作品との対幅 / A Pair Of Hanging-scrollsである『世の栄光の終わり / Finis gloriae mund』があるのです。
    やさしさといつくしみに満ちた多くの作品群の中にあって、この2作品が異彩を放っているのです。

    もしかしたら、救済を求める人々に対してではなくて、その場で彼等を救済する側の人々に向けて、この作品があるのでしょうか。
    少なくともこの2作品があるからこそ、他の作品群の主題がより明瞭となる様にも思えるのですが。

    下に掲載するのが、バルデス・レアール / Juan de Valdes Lealによるその『世の栄光の終わり / Finis gloriae mund』。1672年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:13 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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