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『ベアトリーチェ・チェンチ』 by グイド・レーニ

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    少女がふりかえるのは、来るべき未来が一切、奪われているからだ。
    そしてその瞳が哀しみに満ちているのは、過去にもまた自身を奪われているからだ。
    彼女を待ち構えている運命によって美しい筈の黒髪は白布にくるまれ、後ろ髪をひかれる事すらない。


    作品名:ベアトリーチェ・チェンチ
        Beatrice Cenci
    画 家:グイド・レーニ
        Guido Reni
    美術館:
    パラッツォ・バルベリーニ(国立古典絵画館)イタリア共和国ローマ
        Palazzo Barberini, Roma, Italia

    1662年頃の作品。

    わたしはこの作品とこの作品の主人公、ベアトリーチェ・チェンチ / Beatrice Cenci澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaのエッセイ『女のエピソード』で知りました。

    そこにはこう書かれています。
    「乱暴な父に無理やりはずかしめられた彼女は、不幸な生活にたえきれなくなって、あのように怖ろしい親殺しの罪を犯してしまったのだ。どうして彼女ばかり責められようか?」

    ベアトリーチェ・チェンチ / Beatrice Cenciは齢14歳になった時、実の父親によって監禁され純潔を奪われたと謂います。そしてある日、家族と共に父親を殺害し、復讐を遂げるのです。
    彼女の犯罪はやがて発覚して捕らえられ、拷問の日々が続きます。しかし彼女は一切自白を拒むのです。
    自白があろうとなかろうと、彼女は処刑されてしまいます(本作品で彼女の髪が白布で覆われているのは、斬首の際に頸を露出させる必要から、と謂われています)。
    16歳になったばかりでした。

    彼女の美貌、そして不幸な身と短い人生は、長くまで語り継がれ、様々な創作作品の源泉となるのです。
    例えば、澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaのエッセイ『女のエピソード』では、スタンダール / Stendhalの小説『チェンチ一族 / Les Cenci』(1837年発表)が紹介されています。スタンダール / Stendhalも本作品での彼女に魅せられたのが、執筆の要因であったそうです。

    一説によれば、本作品でのポーズはヨハネス・フェルメール / Johannes Vermeerの『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの娘) / Meisje met palel』(16651666年頃の作品)の元となったと謂います。

    下に掲載するのはジュリア・マーガレット・キャメロン / Julia Margaret Cameronによる写真作品『ベアトリーチェ・チェンチの習作 / A Study Of The Cenci』(邦題は拙訳です)。1868年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:07 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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