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『コンサート』 by ピエール=オーギュスト・ルノワール

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    春のひだまりのような、柔らかい色彩に満たされて、ふたりの女性もまた艶やかな色彩をたたえている。
    ゆったりと緩慢に時が過ぎ、ふたりがかたむける耳の、その先にあるであろう音楽に想いをはせる。


    作品名:コンサート
        Le Concert (The Concert)
    画 家:ピエール=オーギュスト・ルノワール
        Pierre-Auguste Renoir
    美術館:アートギャラリー・オブ・オンタリオカナダトロント
        Art Garalley Of Ontario, Toronto, Canada


    1919年の作品。

    いきなり余談ですが、この作品の邦題は、画家の出自を考えれば仏語の"コンセール / concert"とすべきなのかなぁ、と思ったりもします。でも、その一方で、作品が収蔵されている美術館は、米国にあるから英語によるべきなのかなぁ、とも思えます。
    作品が描かれた場所、作品を描いた人物、そして現在その作品がある場所、一体、どちらの言語を重視すべきなのでしょうか。いつもいつも悩んでしまいます。
    尚、本作品を『コンサート / Le Concert (The Concert)』としたのは、この作品を紹介している『今日の芸術 / Today's Art』(岡本太郎 / Taro Okamoto著)での表記に準拠したからです。

    と、本来ならばずっと後の方で綴ればいい様な事柄を最初にもってきたのは、この作品の画題がよく解らないからです。
    作品に描かれているふたりの女性は、題名を信頼すれば音楽に身を委ねているのでしょうが、その音楽の正体が解らない。
    実際に彼女達の眼前で室内楽 / Musique de chambreが演奏されているのか、それともラジオ放送 / Radio Broadcastingなのか蓄音機 / Phonographなのか(いずれの音楽媒体も黎明期とは謂え作品の発表時には存在していた様です)。
    そしてさらに、仏語の"コンセール / concert"を採用すれば、その結果、そこに流れている音楽の、具体的な演奏楽曲の1ジャンルを指摘している可能性も出てくるのです。

    だとしても、彼女達の姿勢が謎を呼ぶのです。
    こんなしどけない恰好をして、音楽を聴く事はあるのだろうか、と。ラジオ放送 / Radio Broadcasting蓄音機 / Phonographならばいざ知らず、演奏家達がいるその場で、こんなにもリラックスできるのだろうか、と。

    第一に、頬杖をつく右側の女性の姿勢を、流れる音楽に身を委ねているとみる事は可能ですが、もうひとりの姿勢と表情が解らない。

    もしかしたら、作品名は全く別のモノを指し示しているのではなかろうかと思ってもみたりしています。

    下に掲載するのは画家の盟友でもあるエドゥアール・マネ / Edouard Manetによる『カフェ・コンサート(カフェ・コンセール) / Cafe-Concert』。1878年の作品。
    音楽家の演奏を聴く人々の姿を描写した作品ではありますが、その姿勢は様々です。
    右側の紳士は姿勢を正して注視していますが、隣に座る女性には倦怠とも読み取れる表情をしています。そして、この2人の後方では音楽に全く無関心に酒を呑む女性もいるのです(店員ですかね? しかも客からのお流れでしょうか)。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:08 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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