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『エステ家の公女』 by ピサネロ

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    濃い緑を背景にして浮き上がる白い肌。通した袖の赤さもそれを強調する。
    静かな佇まいのこの女性の、整った顔立ちは、憂いとも哀しみとも解釈可能ではあるが、それらとは全く逆の感情が潜んでいないとは限らない。
    彼女の内心は如何様にも解釈する事が可能な様にも思えるのだ。


    作品名:エステ家の公女
        Portrait d'une jeune princesse
    画 家:ピサネロ
        Pisanello
    美術館:ルーブル美術館フランス共和国パリ
        Musee du Louvre, Paris, France


    14351440年頃の作品。

    みていて、すごく不思議な感興に陥るのは、頸から下の造形にある様な気がするのです。一見すると、背中の側に顔がある様にもみえてしまう。それはきっと、胸、彼女の女性性の発露がことさら隠されているから、なのでしょう。
    本来ならば、もっと豊かな胸が描かれていてしかるべきなのに、そうでないのは、当時の宗教的な理由なのか、当時の美術の技巧乃至表現のせいなのか、それとも、身につけている衣装独自のせいなのか。様々な事が考えられます。

    描かれている女性は、一説によるとジネブラ・デステ / Ginevra d'Esteだそうです。
    だとすると、その女性の夫、シギスモンド・パンドルフォ・マラテスタ / Sigismondo Pandolfo Malatestaによって毒殺された事になります。彼女が22歳の時です。

    その説を前提にすれば、背景として描かれている苧環 / Columbineもその周囲を舞う / Butterflyも独特の主張を持ち始めます。
    苧環 / Columbine花言葉 / Language Of Flowersにも、蝶が象徴するモノ / Butterfly Symbolismにもあまり良い意味が与えられていないからです。
    但し、それらの良くない意味とは逆のモノとして、苧環 / Columbine / Butterflyも理解されている場合もあって、単純にそれを鵜呑みにするのもどうなのかなぁと思います。

    そこで描かれている女性は、濃い配色の背景の中に、静かに佇んでいるからです。

    下に掲載するのはピエロ・デラ・フランチェスカ / Piero della Francescaによる『シジズモンド・パンドルフォ・マラテスタ / Sigismondo Pandolfo Malatesta』。1450年頃の作品です。
    22歳の妻ジネブラ・デステ / Ginevra d'Esteを毒殺した夫、シギスモンド・パンドルフォ・マラテスタ / Sigismondo Pandolfo Malatestaの肖像です(って綴ると悪意が満ちています?)。
    以前にこちらで紹介した、同じ画家による壁画『聖ジギスムントに祈りを捧げるシギスモンド・パンドルフォ・マラテスタ / Sigismondo Pandolfo Malatesta Praying In Front Of St. Sigismund』の元絵となった作品と謂われています。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:32 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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