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『相対性』 by マウリッツ・エッシャー

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    煉瓦壁の中を幾つもの階段が縦横無尽にはしっている。そして、それ故に、この建物の中の重力、そしてその結果としての天地左右上下は、何処にあるのか全くもって不明である。だが、それにも関わらず、人々は平然とこの異次元を自由に行き交い、それをみるわたし達は、眩暈をおぼえ、視線は虚空の中を彷徨うばかりだ。


    作品名:相対性
        Relativity
    画 家:マウリッツ・エッシャー
        Maurits Cornelis Escher
    美術館:ニューヨーク近代美術館アメリカ合衆国ニュー・ヨーク
        The Museum Of Modern Art, New York, USA


    1953年の作品。

    指をもって、この空間を歩む人々の行方を追う。その結果、ありえない出来事に遭遇して絶句する。
    もしくは、この作品が掲載されている書物をぐるぐるぐると回して、いろいろな角度から凝視めてみる。その結果、意識が混乱してあたかも奈落の底へと落下する様な感覚に囚われる。

    でも、だからと謂って、結論がそこででる訳もないのです。

    きちんとした理論に基づいて、論理的な解説が綴られている専門書もあって、それを読めば、理解の一助になるのかもしれません。

    でも、だからと謂って、そこでの正解が欲しい訳でもないのです。

    ある細部に注目して、そこに潜む矛盾について考え込んだり、画面全体を眺めて、自分自身の脚元がおぼつかなったり、そんな事自体が実は愉しい。

    幼い子供の様に、いつこのひとたちはおっこちるのかしらと、心配するのも、この作品の正しいみかたなのです。

    ひとつだけ、真面目な事を綴ると、一見、上下も左右も消失した様にみえるこの作品ですが、残念ながら作品としての天地は存在しているのです。
    上に掲載した作品の位置が正しく、その他の据え方は一見可能な様にみえますが、やっぱり居心地は悪いのです。
    それは、この作品をみる視線が最初に捉えるのが(この位置での)画面最下方にいる、階段を上り始めた人物だからです、きっと。
    わたし達はこの人物の歩みに従って、この不思議な空間へと誘われているのです。

    下に掲載するのはヒューバート・アンドリュー・フリース / Hubert Andrew Freethによる『ワトフォードFC・ドレッシング・ルーム / Watford FC Dressing Room』。同じく1953年の作品です。
    選んだ最初の理由は、単純に同一年の作品だから、なのですが、こうやって2作品を並べてみると、上の作品制作に参加したモデルの方々の、憩いの姿の様にもみえるのです [実はこじつけ]。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:56 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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