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『戦場から去る負傷した胸甲騎兵士官』 by テオドール・ジェリコー

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    何かに怯えている様な馬をひき、坂道を下る。左腕にある銃はまるで1本の杖の様な位置にある。彼が馬を降りて歩いているのは、それ故なのだろう。
    彼が気がかりなのは、自身の行く先ではなくて後方なのである。彼がそこから去らざるを得ない原因はそこにあり、そしてそこでのその後が自身の命運をも握っているからなのだった。


    作品名:戦場から去る負傷した胸甲騎兵士官
        Cuirassier blesse quittant le feu
    画 家:テオドール・ジェリコー
        Jean Louis Andre Theodore Gericault
    美術館:ルーヴル美術館フランス共和国パリ
        Musee du Louvre, Paris, France


    1814年の作品。

    以前にこちらで紹介したこの画家の作品『突撃する近衛兵将校(D氏の騎馬肖像) / Officier de chasseurs a cheval de la garde imperiale chargeant』(1812年発表)同様に、本作品もサロン・ド・パリ / Salon de peinture et de sculptureに出品されました。
    まるで、その作品『突撃する近衛兵将校(D氏の騎馬肖像) / Officier de chasseurs a cheval de la garde imperiale chargeant』と対になっている様な主題の本作です。

    前作が戦場での勇猛果敢なひとりの将校を描いているのに対し、本作品は題名にある様に、負傷者の士官です。
    戦場と謂う特殊な場所では、どちらの人物像もあり得る姿でしょうし、戦争と謂う舞台の一面をふたつの人物像として描き出した様に、このふたつの作品を理解する事が出来ます。

    ですが、勝者ならばともかく敗者、しかも戦争画と謂う全景を構成するその一部ではなくて真正面から、この様な人物像を描き、それを国家主宰の展覧会に出品出来ると謂うのは、ちょっと不思議な事の様にも思えます。
    だって、本来ならばそこには、恥とか不名誉とかネガティヴな側面ばかりが描写され得る可能性があるからです。

    ですが、負傷と謂う語句に惹きつけられて本作を眺めても具体的な描写はそこにはありません。
    寧ろ、彼の内面を顕彰する様な描写が本作にある様に思えます。

    下に掲載するのはフランシスコ・デ・ゴヤ / Francisco de Goyaによる『1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺 / El 3 de Mayo de 1808. Fusilamientos en la montaña del Príncipe Pío』。同じく1814年の作品です。
    この作品も、従来の戦争画では決して描かれなかった様な状況が主題となっていると思われます。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:33 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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