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『キリストの洗礼』 by アンドレア・デル・ヴェロッキオ

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    洗礼 / Baptismを受ける人物とそれを施す人物、その表情がいま、なされている儀式の意味をより強調している様に思える。
    中央の人物が瞳を閉じ敬虔な態度がその全身に顕れているのに対し、もう一方の人物には、緊張に満ちた厳粛な表情を読み取る事ができる。
    つまり、イエス・キリスト / Jesus Christ洗礼 / Baptismする事態となってしまった洗礼者ヨハネ / John The Baptistの、困惑とも解される心情がそこにある。


    作品名:キリストの洗礼
        Il Battesimo di Cristo
    画 家:アンドレア・デル・ヴェロッキオ
        Andrea del Verrocchio
    美術館:ウフィツィ美術館イタリアフィレンツェ
        Galleria degli Uffizi, Firenze, Italia


    1475年から1478年頃の作品です。

    画題は、『新約聖書 / Novum Testamentum』の『ルカによる福音書 / Evangelium secundum Lucam』等で語られている洗礼者ヨハネ / John The Baptistイエス・キリスト / Jesus Christ洗礼 / Baptismした挿話です。
    画面中央で両掌をあわせているのがイエス・キリスト / Jesus Christ。その右隣で十字架を携えている人物が洗礼者ヨハネ / John The Baptistです。
    イエス・キリスト / Jesus Christの頭上には白い鳥が飛び、その上に2本の腕をみる事が出来ます。きっと、前者が精霊 / The Holy Spiritで、後者が父 / The Father、そのふたつが子 / The Sonなるイエス・キリスト / Jesus Christを祝福しているのでしょう。つまり三位一体説 / Trinityです。

    本作品を描いた画家の代表作であると謂うよりも、画家の弟子のひとりとして参加したレオナルド・ダ・ヴィンチ / Leonardo da Vinciの挿話で知られています。わたしも、そんなエピソードで本作を知りました。
    曰く、画面左端に膝まづく天使をレオナルド・ダ・ヴィンチ / Leonardo da Vinciが描き、その完成度の高さ故に、画家は自身の筆を折ったのだ、と。

    確かに、彼を凝視める、その隣で膝まづくもうひとりの天使と比較すると、なんだか全然違う画風をそこにみる事が出来ます。
    右の天使が、いかにも少年のあどけなさをたたえているのに対し、左の天使は年齢も性別も不詳の、厳かな魅力に満ちている様に思えるのです。
    右の天使が左の天使をじっと凝視めているその姿はまるで、アンドレア・デル・ヴェロッキオ / Andrea del Verrocchioそのひとが、自身よりも遥かに技量を誇るレオナルド・ダ・ヴィンチ / Leonardo da Vinciそのひとを凝視している様にもみえるのです。

    下に掲載するのはピエロ・デラ・フランチェスカ / Piero della Francescaによる『キリストの洗礼 / Il Battesimo di Cristo』。1445年頃の作品。上の作品よりも30年程、その作品に先行する同一画題です。
    個人的には、下の様式的な美しさから飛躍して上の写実的な描写への移行が先ず、大きな驚きではあります。



    余談ですが、『 世界名画の旅 3 イタリア編』(朝日文庫)では、ここで掲げた2作品に代表される洗礼 / Baptismの図は、サンドロ・ボッティチェッリ / Sandro Botticelli描く『ヴィーナスの誕生 / La Nascita di Venere』(こちらで紹介済み)と構図がよく似ている、洗礼 / Baptismの図に影響されてその作品が描かれたのだろうと指摘しています。
    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:58 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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