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『タンギー爺さん(ジュリアン・タンギーの肖像)』 by フィンセント・ファン・ゴッホ

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    いくつもの浮世絵 / Ukiyo-eを背景にして描かれているその男性の表情はあたたかみにあふれていて、描かれている本人と描いた画家との関係が思わず推し量れる。
    彼のかぶる帽子、彼の着る外套は本人に馴染んでいると謂うよりももう永い間に、着古している様だ。
    そしてその外套の青さに浮き上がる様に描かれている彼の両掌は、無骨でとてもおおきい。


    作品名:タンギー爺さん(ジュリアン・タンギーの肖像)
        Le pere Tanguy
    画 家:フィンセント・ファン・ゴッホ
        Vincent van Gogh
    美術館:
    スタブロス・ニアルコス・コレクションギリシャ共和国カリテア
        The Stavros Niarchos Foundation, Kallithea, Hellenic Republic

    画家が描いたこの人物の肖像画は、まったく良く似た構図の作品がふたつ遺されています。
    いずれも1887年に描かれ、そのうちの1点『タンギー爺さんの肖像(ジュリアン・タンギーの肖像) / Le pere Tanguy』はロダン美術館 / Musee Rodin所蔵で、既にこちらで紹介しています。

    どちらの作品も描かれた人物の背景は浮世絵 / Ukiyo-eで埋め尽くされていて、その結果、ジャポニズム / Japonismeの影響下にある作品と看做されています。

    ですが、例えばエドゥアール・マネ / Edouard Manet描く『エミール・ゾラの肖像 / Portrait d'Emile Zola』とはいささか趣向が違う様に思えます。
    その作品は描かれた小説家の一室にある調度のひとつなのですから。

    この作品の背景が浮世絵 / Ukiyo-eで埋め尽くされた理由は、少なくともふたつ考える事が出来る様に思えます。
    ひとつは、浮世絵 / Ukiyo-eの手法と同様の技法で、この人物を描いたと謂う画家の主張。
    ひとつは、浮世絵 / Ukiyo-eと同様に、画家にとって重きをなす存在である(もしくはその逆でこの人物同様に浮世絵 / Ukiyo-eが重要である)と謂う画家の自負。

    描かれた人物ジュリアン・フランソワ・タンギー / Julienne François Tanguyは画材商兼画商で、売れない画家であったフィンセント・ファン・ゴッホ / Vincent van Goghからみれば、彼の数少ない理解者のうちの一人であったと謂われています。

    下に掲載するのは画面を埋め尽くしている浮世絵 / Ukiyo-e作品のうちのひとつ、歌川国貞 / Kunisadaによる『三世岩井粂三郎の三浦屋高尾 / Actor In The Role Of The Courtesan Takao Of The Miuraya House』です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:22 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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