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『昌平橋聖堂神田川』 from 『名所江戸百景』 by 歌川広重

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    空はくらく、篠突く雨が降っている。川面はゆれ、さざなみに小舟も揺れる。
    みちいく人々は急いていて、あたかもその坂をかけあがらんとしている様だ。


    作品名:名所江戸百景 昌平橋聖堂神田川
        
    Seido Shrine And Kanda River From Shohei Bridge
         for the series One Hundred Famous Views Of Edo
    画 家:歌川広重
        Hiroshige
    美術館:国立国会図書館東京都千代田区
        National Diet Library, Chiyoda City, Tokyo Metropolis


    右手前にあるのが昌平橋 / Shohei Bridge。流れるているのは神田川 / Kanda River。そして、それに沿って円弧を描くかの様な坂の向こうには湯島聖堂 / Yushima Seidoがあります。
    (余談ですが、本作品の叙景がそっくりそのまま撮影されたかの様な、1910年頃のこの近辺の写真が幾つか、こちらのサイトに掲載されています。)

    橋の上から川を望み、川に並走する坂道の上へと視線を走らせる。それはジグザグで、作品の上におおきなS字を描く作業です。
    そして、それを遮る様に、右上から左下へと走る細い細い幾つもの直線が走るのです。自ずと、作品を観る視線への妨げとなります。
    勿論、その妨げの直線こそが、本作品の主題でもある雨の描写なのです。

    下に掲載するのはジョージ・ベローズ / George Bellowsによる『川に雨降る / Rain On The River』(邦題は拙訳です)。1908年の作品。
    雨と川を主題とする作品を検索して出逢えました。
    描かれている川も鉄道も、左上から右下へと向かう構図を形成し、雨と川以外に描かれているモノモノにも、何故か上の作品との幾つもの共通項を見出せてしまうのです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:15 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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