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"Venus In Furs" by The Velvet Underground(『毛皮のヴィーナス』 by ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)

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    前回とは、レオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ / Leopold von Sacher-Masochの小説『毛皮を着たヴィーナス / Venus im Pelz』つながり。と、謂うかその曲、スージー・アンド・ザ・バンシーズ / Siouxsie And The Bansheesの『メルト! / Melt!』の種明かし。


    てらてらてらとブーツの皮のてりかえし
    闇にまぎれて少女を鞭うつ
    鈴をならせば、あれがきみのめしうど、かれをみすてちゃあいけないよ
    さあおうち、いとしきひとよ、かれのかわきをいやすのだ


    街灯りがおもいえがかせる、かろやかな罪への自覚が
    彼女のまとうべき衣装をおいかけ
    いたちの毛皮で傲慢をよそおう
    ゼヴェリーン、ゼヴェリーンがそこできみをまっている


    ぼくはもうあいてつかれてしまい
    一千年ものねむりにつけそう
    一千もの夢からさめれば
    そのいくつもの彩りでなみだをながすにちがいない


    てらてらとしたブーツの皮にくちづけすれば
    闇のなかでひときわかがやきをはなつ
    ベルトの、革紐のそのきっさきがきみをまっている
    さあおうち、いとしきひとよ、かれのかわきをいやすのだ


    ゼヴェリーン、ゼヴェリーン、ようやくのことことばがもれる
    ゼヴェリーン、ひざまづいたきみのもとにたおれ
    鞭をあじわう、愛をこめてはげしく
    鞭をあじわう、いまやきみのために血をながすのだ


    その小説の読後感を思い出しながら、訳して行きました。
    その小説の中では主客、というか、主従、というか、ふたりの人物の関係が転倒し倒錯する事によって物語は(ある人物にとっての)悲劇へと至るのですが、この曲の主観も常に一定ではない様に思えます。鞭うつ側と鞭うたれる側、両者の感情が混沌となったまま、うたわれている様に思えます。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : music * 00:06 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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