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『浴する娘 II 』 by エリック・ギル

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    黒地のなか、くっきりと彫り抜かれたひとりの女性。
    盥に座り、長い髪で表情が隠されたそのおんなは、なぜかなまめかしい。
    けっしておおきくはないがゆたかな胸、皺のよった腹、それに続くおおきな臀と太腿。
    盥のなかにその肉体をおしこめておくのは、とても不可能な様に思える。


    作品名:浴する娘 II
        Girl In Bath : II
    画 家:エリック・ギル
        Eric Gill
    美術館:テート・ギャラリーイギリスロンドン
        Tate Gallery, London, England


    1923年の作品。
    この画家の作品を紹介するのはこちらの『イヴ / Eve』に続き、2度目です。

    盥とそこで湯浴みをする裸婦と謂う画題は、エドガー・ドガ / Edgar Degasを思い出させます。このブログでもその中のひとつ『たらいを洗う女 / The Tub I』をこちらで紹介しています。

    全裸の女性が全裸である必然性がそこにあり、その女性の生活が想起され、そして、盥のなかで湯を浴び、身を屈める事によって、肉体のもつ神秘的で不思議な蠢きを描けるからなのでしょうか。しかも、描き出された生活と蠢きには、反発も生まれれば、協調も生まれ得るのです。
    ネットで検索するとその画題の作品が幾つも登場します。

    但し、この作品をわたしが知る事になったムック『ユリイカ 総特集:禁断のエロティシズム 異端・背徳の美術史』に掲載されている『エリック・ギル - 聖者と半獣神 / Eric Gill - Saint And Half Beast God』(英題は拙訳です)の中で筆者の海野弘 / Hiroshi Unnoは次の様に綴っています。

    「<前略>たらいで身体を洗っている髪の長い娘のヌードである。ちらりと見ると、なにげないヌードに見える。右下にPという文字が入っている。このPがギルの次女ペトラであることがわかると。あらためてこの絵のエロティックな絵の意味が見えてくる。彼は自分の娘の裸をのぞいているのだ」

    そこに書かれた事実を知る事によって、この作品は、それ以前の感興とは全く異なった印象を持つ事になります。

    単純な描線で輪郭だけが描かれているその女性に、まざまざとある表情が浮かぶのです。

    下に掲載するのは同じ画題のピエール・ボナール / Pierre Bonnardによる『浴槽にうずくまる裸婦 / Nu accroupi au Tub』(邦題は拙訳です)。1914年の作品です。
    ピエール・ボナール / Pierre Bonnardは自身の妻をモデルとして起用した作品を幾つも遺していますが、この作品もそうなのでしょうか。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 10:18 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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