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『和泉式部図』 by 狩野休圓

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    「そこへ行くと、和泉式部は、ひたすら女らしい女で、情熱的で、奔放で、多情で、艶冶で、しかも哀愁あり、憂いありで、まことに現代的なムードをただよわせた、華やかな自由恋愛のチャンピオンと称するにふさわしい女性であった。」(澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawa著『女のエピソード』より)

    "Izumi Shikibu Zu" by Kyuen Kano

    作品名:和泉式部図
        Izumi Shikibu Zu
    画 家:狩野休圓
        Kyuen Kano
    美術館:誠心院京都府京都市
        Seishin-in, Kyoto City, Kyoto Prefecture


    本来ならば、その随筆『女のエピソード』に掲載された絵画作品を上で紹介すべきなのですが、その作品は検索してもでてこず、いや、それ以前にその題名や出典も解らないのでした。
    掲載された作品は、平安時代 / Heian Periodの女性と思しき人物が、幼女とともに歩んでいる姿です。和泉式部 / Izumi Shikibuとその愛児、小式部内侍 / Koshikibu no Naishiでしょうか。『和泉式部縁起絵巻 / Izumi Shikibu Emaki』でのワン・シーンなのかなと思って捜してみましたが、それでも発見出来ません。
    その代理として、上の作品を掲載しましたが、だからと謂って、この作品が描いている情景の意味は皆目、見当もつきません。

    上の文章の前段で、筆者は、和泉式部 / Izumi Shikibuと同時代の女性達すなわち、小野小町 / Ono no Komachi紫式部 / Murasaki Shikibu赤染衛門 / Akazome Emon清少納言 / Sei Shonagonの一人一人に簡単なコメントを添えています。そして、それを受けて、その文章の主題である和泉式部 / Izumi Shikibuを上の様に評しているのです。

    わたしは和泉式部 / Izumi Shikibuと謂う女性を知る前に、その一人娘である小式部内侍 / Koshikibu no Naishiを知りました。『十訓抄 / Jikkinsho : A Miscellany Of Ten Maxims』で語られているあの挿話です。
    そこで語られている小式部内侍 / Koshikibu no Naishiの逸話は、彼女の聡明さ、そして歌人としての才能を解りやすく指摘しています。そんな女性の母親が和泉式部 / Izumi Shikibuなのです。単純に、小式部内侍 / Koshikibu no Naishiよりもさらにおおきな才能がそこにある様な印象を抱いてしまいます。

    それを受けて、和泉式部 / Izumi Shikibuの生涯を知ると、上の引用文で綴られている事が裏付けられている様にも思えます。
    和泉式部日記 / Izumi Shikibu Nikki』で語れている為尊親王 / Prince Atsumichi
    との恋愛はさらにその印象を深めます。

    但し、『女のエピソード』と謂う随筆は、1970年から1971年にかけて資生堂 / Shiseidoの雑誌『花椿 / Hanatsubaki』で連載されていたものです。その文章に登場する「現代的」と謂う語句は、四半世紀以上前のモノを指しています。
    だから、上の引用文を受けてそのまま、現在の視点で解釈してしまってもいいのだろうか、と思います。
    女性を巡る問題、母親を巡る問題、さらには有名人の醜聞とその報道を知るにつけ、「華やかな自由恋愛のチャンピオン」と謂う評価は妥当なのだろうか、と思えます。

    そんなわたしの逡巡を知ってか知らずか、著者はその文章を次の一文で締めくくるのです。

    「<前略>和泉式部のような多情多感な、そして一見したところ、自由恋愛のチャンピオンのようにも思える女性にも、結局、男にすがらなければ生きて行けないような、生ま身の女の弱さがあったのであろうか。」(同上掲書より)

    下に掲載するのは、歌川国芳 / Utagawa Kuniyoshiによる『和泉式部 / Izumi Shikibu』。『賢女烈婦伝 / Biographies Of Wise Women And Virtuous Wives』なる連作のなかのひとつです。
    この作品も描いている情景の意味は、やっぱり解らないのです。
    平安時代 / Heian Period和泉式部 / Izumi Shikibuがその当時の女性の扮装で登場するのは、例えば西洋絵画でも、聖書 / Bibliaの登場人物達がその当代の服装を身につけている点を考慮すれば、それ程、予想外の描写ではないのではありますが。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 11:59 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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