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『ネメシス(運命)』 by アルブレヒト・デューラー

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    険しい顔をした全裸の、有翼の女性が峠を越える。
    どこへむかうのだろうか。なにをなそうというのか。
    勿論、彼女は知っている。そして、彼女を描いた画家も。


    作品名:ネメシス(運命)
        Nemesis (The Great Fortune)
    画 家:アルブレヒト・デューラー
        Albrecht Durer
    美術館:国立西洋美術館東京台東区
        
    The National Museum Of Western Art, Tokyo, Taito, Tokyo

    1502年の作品。

    運命の女神、ネメシス / Nemesisの下方にみえるのは、クラウゼン峠 / Klausenpassです。
    ニュルンベルク / Nurnberg出身の画家は、二度、当時の美術の最先端であるイタリア / Italyへ修行に行きます。その際に彼が通った土地のひとつがクラウゼン峠 / Klausenpassなのです。
    以前、こちらで紹介したインスブルック / Innsbruckを描いた風景画『インスブルック風景 / Innsbruck von Norden』がその紀行の成果であると同様に、本作品にも画家の体験が反映されているのです。

    わたしはこの作品を『世界名画の旅 3 イタリア編』(朝日文庫)で知りました。
    そこでは、画家がニュルンベルク / Nurnbergからイタリア / Italyへと辿った行程を追って、記者がこの土地を訪れ、記事掲載当時のその土地の模様を伝えています。その時の模様と、画家が旅した往時との対比と謂う意味なのでしょうか。この作品が掲載されているのです。

    だけれども、そんな記事を読むと、そこから発展してあらたな解釈も産まれそうです。

    画家はイタリア / Italyで当時のルネサンス美術 / Renaissance Artの気風に触れて帰国後、独自の解釈でもって作品を発表していきます。北方ルネサンス / Northern Renaissanceと謂う新たな表現が、彼によってもたらされたとも謂えます。
    そして、その気概や自負がこの作品に顕れているのではないか、そんな気がするのです。

    ただそんな妄想を補填するのには、描かれた女神ネメシス / Nemesisがどこへ向かっているのかが解らないと解決しそうもないのです。
    イタリア / Italyへと向かっているのか、ニュルンベルク / Nurnbergへの帰路なのか。
    女神ネメシス / Nemesisに導かれて自身が旅をしていると解釈すべきか、それとも、画家自らを女神ネメシス / Nemesisとしてなぞらえているのか。

    下に掲載するのはゲオルゲ・タタレスク / Gheorghe Tattarescuによる『ネメシス / Nemesis』。1853年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:41 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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