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詩『病床異夢:Sleeping In The Sickbed With Different Dreams』

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    SAに

    宿舎に到着したわたし達は旅装をといた。室内には十数ものしろいベッドがならび、旅館やホテルというよりも、病院のそれにちかい。間接照明はあたたかく、ここちよさげなのだが、うすしろく輝くベッドはとてもよそよそしげだ。

    消灯時間にはまだまがあるものの、とおくからホイッスルがきこえ、その持ち主が部屋部屋をまわっている。駆け足はけたたましくて、病室のようなこの室内にはふさわしくない。

    間遠で響いていた警笛と足音が次第に近づいてきて、ついにこの部屋もノックする。とびらの近くにいたものがあけると、そこには息が上がったAの姿があった。そして、ふたことみこと、彼女と交わした後に、ホイッスルをふき、さきほどとおなじ様に駆け出していく。
    点呼? そうたずねると、ちがうらしい。

    しばらくすると、神妙な顔の看護師がふたりあらわれて、こんなことをきく。
    「あやさんの遺骸はこちらですか? ひきとりにきました」

    あやさんなる人物は、ここにはいない。わたし達の友人でもない。

    部屋をまちがえていませんか。
    でも、この部屋にはひとり、体調をくずしているひとがひとり、あるのです。

    この部屋の一角、ベッドのひとつをカーテンでおおいかくしたそのむこうに、病人はいる。
    発熱と吐き気。
    ただし、彼女にとっては日常茶飯事のことだ。日常とすこしちがうことがおきるたびに、そのひとはからだをくずす。普段ならばだれひとり気にもかけないが、ここは旅先なのである。

    すると、はげしいおとがひびき、館内に退避命令がだされる。
    鞄のなかの財布と身分証明証をさがすわたしに、おおきなこえでどなるものがいる。
    「そんなものはあとだ」

    混乱する廊下をわたし達は一気にかけぬけて、エレベーター・ホールを素通りして階段にむかう。
    そして、ひたすらしたへしたへとむかうのだった。

    だれもがしっていた。最上階に火の手があがっているのであった。
    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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