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『ヴェロニカ』 by ジョルジュ・ルオー

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    聖職者と思われる女性。面長の顔には笑みが認められるが、彼女の左眼は潤んでいる様にもみえる。
    笑顔のむこうに人知れず、哀しみがあるのだろうか。
    描線は極めて単純ではあるが、それによって構成されている衣服の肌理は、彫像のそれにもみえる。


    作品名:ヴェロニカ
        Veronique
    画 家:ジョルジュ・ルオー
        Georges Rouault
    美術館:パリ国立近代美術館ポンピドゥー・センター
        フランス共和国パリ
        Musee National d'Art Moderne, Centre Pompidou,
        Paris, France


    1945年の作品。

    画題のヴヴェロニカ / Veroniqueとは聖人 / Saint聖ヴェロニカ / Saint Veronicaの事です。
    イエス・キリスト / Iesus Nazarenusが自身の処刑場であるゴルゴタの丘 / Calvariae Locusに連行される際、彼女は自らのヴェール / Veilを差し出し、額に浮かぶ彼の汗を拭ったといいます。そして、そのヴェール / Veilには彼の肖像が浮かび上がったのです。そのヴェールを聖顔布 / Sudariumといいます。
    そんな伝承を受けて、彼女を描く作品はどれも、聖顔布 / Sudariumを携えた女性、すなわち、イエス・キリスト / Iesus Nazarenusの顔が描かれた布を掲げる女性なのです。
    そしてそれ故に、彼女を描く作品のおおくには、哀しみにみちた女性が描かれています。

    ですが、本作品には、ひとりの女性の顔がおおきく描かれているだけで、聖顔布 / Sudariumはそこにはありません。彼女の服装とその頭部にある十字架 / Christian Cross
    によってかろうじて彼女が聖職に就くモノであると解るばかりです。
    その顔にたたえられた表情から、画家に近しい人物なのだろうかと謂う感慨は起こるのですが、伝承のたぐいに登場する人物にはとても想えないのです。

    やさしさがあふれるその表情に、わたしは安堵と安寧をみいだしますが、それは決して彼女が聖人 / Saintであるからではない様に想えます。
    自身の肖像を描いている画家にむけた、モデル自身のまなざしがそこにある様に思えるのです。それは画家への全幅の信頼と、よべるモノなのかもしれません。

    画家は『聖顔 / The Holy Face』といったイエス・キリスト / Iesus Nazarenusの肖像を幾つも描いているので、それとの類推から本作品を眺めるべきなのでしょうか。

    下に掲載するのはオスカー・ココシュカ / Oskar Kokoschkaによる『ヴェロニカのヴェール / Veronica's Veil』。1909年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:38 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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