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『ピンクの天使』 by ウィレム・デ・クーニング

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    そこにある裸体は、おそらくふたつ。さもなければ、みっつ。
    ひとつは右手前にあってこちらに背をむけて座っている。ながくのびているのは、その頸なのだろうか、それとも、無造作に挙げられた左腕なのだろうか。
    ひとつはそれに相対しているかの様で、左の膝をおりまげ、もう一方の脚を投げ出している。
    そのむこうにもうひとり、いるのか。いないのか。こちらを向いてすわっているそれの右腕の様にもみえるのだが。


    作品名:ピンクの天使
        Pink Angels
    画 家:ウィレム・デ・クーニング
        Willem de Kooning
    美術館:
    フレデリック・R・ワイズマン美術館カリフォルニア州ロサンゼルス
        Frederick R. Weisman Art Foundation, Los Angeles, State Of California

    1945年頃の作品。

    作品名に応じて、そこに天使 / Angelが描かれているのだろうと謂う前提で作品を眺めると、上に綴った様な印象を得ます。
    しかし、ピンク色に彩色されたそれは、かろうじて肉体なのであろうという認識は得られるのですが、性別はおろか、それらが天使 / Angelであると謂う実感は得られません。
    尤も、天使 / Angelと謂う語句に、宗教上もしくは信仰上の存在、つまり有翼の人物達を想定する事が出来る一方で、その人物達の身体や内面の美しさを表出した比喩的な表現である可能性もあり得ます。単純に謂ってしまえば、美しい女性達を描いただけの事かも知れません。

    と、謂う様な事を考えていると、ふと、素朴で単純な疑問に横着します。

    画家は、当初から『ピンクの天使 / Pink Angels』と謂う画題で描き始めたのか、それとも、描いている過程の中で『ピンクの天使 / Pink Angels』と謂う画題に到着したのか、一体そのどちらなのでしょう。

    わたしがこの作品を知った美術評論集『名画裸婦感応術』(横尾忠則 / Tadanori Yokoo著)では、著者は、本作品が画家の過渡期の作品であると謂う前提にたって、次の様に綴っています。

    「さらに線を手当たり次第に無造作に画面の上に走らせて、偶然の形に頼りながら、格闘したような『ピンクの天使』と題する絵を制作したりするのである。だけどこの『ピンクの天使』で試みた方法がいつのまにか突破口になって、線と形がどんどん増殖していった。もうここまで来ると何を描いているのかは定かではない。」

    ちなみに、その書物では本作品はモノクロ写真で紹介されていて、もっと抽象的な線描画の様な印象を抱きます。

    下に掲載するのは同じ画題の、アミーリア ・ペレーズ / Amelia Pelaezによる『青い天使 / Blue Angel』。
    これも1945年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:51 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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