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『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』 by ピエール=オーギュスト・ルノワール

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    エキゾチックな装いの3人の女性が、斜めの構図に座る。装いとは謂っても、左の女性はその衣服を掌にしているだけの全裸であり、中央の女性も身に纏った衣服は透けていて、まるみえといってもよい。ひとりのこった右の女性も、他の女性よりも露出は控えめではあるが、結局のところ、大同小異だ。
    全裸の左の女性よりも中央の女性の方が、なまじ半透明の生地によって隠されているだけに、露出している肌のしろさに眼が奪われる。


    作品名:アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)
        Parisiennes In Algerian Costume or Harem
    画 家:ピエール=オーギュスト・ルノワール
        Pierre-Auguste Renoir
    美術館:国立西洋美術館東京台東区
        
    The National Museum Of Western Art, Tokyo, Taito, Tokyo

    1872年の作品。

    本作品は、ウージェーヌ・ドラクロワ / Ferdinand Victor Eugene Delacroixの『アルジェの女たち / Femmes d'Alger dans leur appartement』(こちらで紹介済み)の影響を受けて制作されたと謂います。
    その作品が、1832年にウージェーヌ・ドラクロワ / Ferdinand Victor Eugene Delacroix自身がアルジェ / Algiersを訪問した際に得た構想の下で描かれたのに対し、本作品は、画題にもあるとおり、パリ / Parisの女性達を描いています。恐らく、アルジェ / Algiersのエキゾチシズム / Exoticismをパリ / Paris風に反映させた娼館での場面である様に思われます。

    そんな事を念頭にいれて、ふたつの作品を見比べると、共通している部分とそうではない異なる部分とが浮かび上がる様な気がします。はたして、それは一体なんなのでしょうか。

    共通している部分はすぐに知れます。どちらも女性の群像で、しかもその女性達は娼婦と呼ばれるべき存在の様に思われます。画面全体にあるのは、ヨーロッパ / Europeにはない調度であって、それがある種のモードを産み出しています。
    それでは異なる部分とは一体、なんでしょうか。

    ふたつの作品が実際に題材とした場所は違います。しかし、それを事前にもしくは事後にもたらされた情報からではなくて、ふたつの作品そのものから読み取る事が出来るのでしょうか。アルジェ / Algiersにいる"本物"の女性達と、それに似せたパリ / Parisの"偽物"の女性達とを。

    もしくは、この画家がウージェーヌ・ドラクロワ / Ferdinand Victor Eugene Delacroixからの影響下からいずれは脱却して、後に自身の画風を確立する、その可能性を本作品のどこからか読み取る事が出来るのでしょうか。

    難しい問題です。

    下に掲載するのは、テオドール・シャセリオー / Theodore Chasseriauによる『バルコニーのユダヤ人女性 / Juives au balcon, Alger』。1849年の作品。
    この作品はテオドール・シャセリオー / Theodore Chasseriau自身の、1846年のアルジェリア / Algeria旅行の成果のひとつです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:41 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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