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『異国のエヴァ』 by ポール・ゴーギャン

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    みどりもまぶしいそこはここならざる楽園か。そこにたたずむひとりの裸婦。一糸まとわぬその裸身はその光景のなかにあってことさらにしろく輝いてみえる。
    彼女のそばには1本の樹がはえており、しろい花とあかい果実が彩りを添えている。そしてその枝には、1匹の蛇がまとわりついているのだ。


    作品名:異国のエヴァ
        Exotic Eve
    画 家:ポール・ゴーギャン
        Paul Gauguin
    美術館:ポーラ美術館神奈川県仙石原
        Pola Museum Of Art, Sengokuhara, Kanagawa


    1890年から1894年にかけての作品。

    画題は、『旧約聖書 / Vetus Testamentum』の『創世記 / Liber Genesis』に綴られている、蛇 / Serpentによるイヴ / Eveの誘惑です。
    しかし、その画題以上に、この作品には幾つものモチーフが隠されている様です。

    本作品に描かれている光景は、画題に準じて考えればエデンの園 / Gan Edenです。ですが、そのエデンの園 / Gan Edenの描写は、画家が晩年に過ごす事になるタヒチ / Tahitiを思わせます。1890と謂う年は、画家がその地へと旅立つ直前の作品なのです。

    そして、その光景のなかにあるイヴ / Eveは、後に画家が描く事になる作品『かぐわしき大地 / Te Nave Nave Fenua (Terre delicieuse)』(こちらで紹介済み)にある女性とおなじ姿態であります。異なる点は、肌の色と女性の顔貌、その作品は、当時画家が棲んでいた土地の女性をモデルとしたのでしょう。その女性に本作品にあるイヴ / Eveとおなじ姿態をさせて描いたのでしょうか。

    さらに、本作にある裸婦の顔貌に注目せねばなりません。そこに描かれているのは、画家の作品『母の肖像 / Die Mutter des Kunstlers, um 1893』(こちらで紹介済み)にある女性、すなわち画家の母親にそっくりなのです。

    上のみっつの点から類推すれば、画家の意識のなかには母親は始原の女性イヴ / Eveであり、その姿をタヒチ / Tahitiの女性にも認めた、もしくは求めたと考えられます。極論すれば、画家にとって、タヒチ / Tahitiとはエデンの園 / Gan Edenの事であり、そこに棲む女性は画家にとっての母であり、イヴ / Eveなのです。

    下に掲載するのは、ポール・セリュジエ / Paul Serusierによる『メランコニーもしくはブルターニュのイヴ / Melancholia, or Breton Eve』。1890年の作品です。この画家はポール・ゴーギャン / Paul Gauguinの弟子筋にあたる画家です。
    上の作品と同時代に描かれた、同一の画題の作品を捜して出逢えました。
    しかしながら、ポール・ゴーギャン / Paul Gauguinには『ブルターニュのイヴ / Breton Eve』(1889年の作)と謂う作品もあるのです。その作品ではイヴ / Eveは下の作品同様に沈鬱な姿勢をして描かれています。ふたつの作品にある女性と対比させて上の作品を解釈すべきなのでしょうか。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:17 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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