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『キオス島の虐殺』 by ウージェーヌ・ドラクロワ

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    惨憺たる光景がそこにある。絵画を美を描くモノと定義したら、そこに美はあるのだろうか。
    画面右にはいななく馬とそれに騎乗する戦士がいるが、勿論、その雄姿がこの作品の主題ではない。その下で、呻き声や怖れの声を挙げているヒトビトでさえないだろう。
    それよりも、そんな有様とは無縁であるかの様なかたちで、呆然とし、憔悴している、傷ついたヒトビトこそが、描かれるべきモノなのである。
    エーゲ海 / Aegean Seaに浮かぶ島であるのにも関わらず、ひろがる白雲が禍々しく、うすら寒さを誘う様だ。


    作品名:キオス島の虐殺
         Scene des massacres de Scio
    画 家:ウージェーヌ・ドラクロワ
        Ferdinand Victor Eugene Delacroix
    美術館:ルーブル美術館フランス共和国パリ
        Musee du Louvre, Paris, France


    1824年の作品。

    画題は、1821年に起こったギリシア独立戦争 / Greek War Of Independenceでのある事件です。キオス島(ヒオス島) / Chiosに於いて、1822年にトルコ / Turkey軍兵士によってなされた暴虐、その光景を描いた作品です。

    例えば、同時代に起きた事件を描いた作品に、テオドール・ジェリコー / Jean Louis Andre Theodore Gericaultによる『メデューズ号の筏 /  Le Radeau de la Meduse』(18181819年の作品 こちらで紹介済み)があります。
    その作品の視点とは相通じている様にも思えます。実際に、ふたりの画家達には交流がありました。

    戦争の過酷さ、残酷さを描いた作品は、いくらでもあります。最も有名な作品としてパブロ・ピカソ / Pablo Picassoの『ゲルニカ / Guernika』(1937年の作品 こちらで紹介済み)を挙げられるでしょう。
    それでは本作品はありきたりの作品なのかと問えば、さぁ、どうなのでしょう。
    例えば本作品に先行するモノとして、フランシスコ・デ・ゴヤ / Francisco de Goyaによる『1808年5月3日、プリンシペ・ピオの丘での銃殺 / El 3 de Mayo de 1808. Fusilamientos en la montana del Principe Pio』(1814年の作品 こちらで掲載済み)を思い出す事は出来ますが、その作品と本作品のあいだに、類似する作品はどれ程あるのでしょうか。寡聞にしてわたしには思い当たりません。

    下に掲載するのはフランチェスコ・アイエツ / Francesco Hayezによる『キオス島からの逃亡/ Flight From Chios』(邦題は拙訳です)。1839年の作品です。
    キオス島(ヒオス島) / Chiosを舞台とする作品を捜してその結果、出逢えました。但し、この作品がどの様な状況を描いた作品なのかは解りません。ギリシア独立戦争 / Greek War Of Independenceは、1830年にギリシャ / Greece独立をもって終焉します。それにも関わらずに、この様な状況が顕れたのか、それとも、ギリシア独立戦争 / Greek War Of Independenceでの光景を描いたモノなのか、はたまた、それらの事件とは全く無関係な、キオス島(ヒオス島) / Chiosでのある光景を描いたのか、疑問は解消されないのです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:47 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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