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『落穂拾い』 by ジャン=フランソワ・ミレー

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    ひろい農場に、腰をかがめる3人の女性。いつまでも続くその作業のためか、永遠にとまってしまったかの様な印象を受ける。腰がまがったまま、このままき動きひとつできないのでは、と思えてしまうのだ。彼女達が拾うべきモノは、このひろさのなかにあってしかもごくわずかだ。
    背景にある木立が、彼女達とおなじ様なかたちを描いて風に揺れている。


    作品名:落穂拾い
        Des glaneuses
    画 家:ジャン=フランソワ・ミレー
        Jean-François Millet
    美術館:オルセー美術館フランス共和国パリ
        Musee d'Orsay, Paris, France


    1857年の作品。
    当時の画家が本拠地としていたバルビゾン / Barbizonでの光景を描いた作品です。

    本作品を素材にした、マナー啓発のポスターが昨年度、都営地下鉄 / Toei Subwayの各所に掲示されていました。それだけ、誰もが知る作品、美術と謂う枠の外でまで通用している作品です(平成29年度マナーポスターを参照の事)。

    一見すると、収穫の際の農作業を描いたモノに思えます。確かにこの画題、落穂拾い / Glanageは収穫時に行われます。しかし、この作業に従事するのは、貧困層なのです。実際の収穫は既に終わっています。その際の僅かばかりの遺りモノを、貧しいモノ達がこうして拾い、自身の糧とする事が許されているのです。

    単純に、同じ画家の作品『種をまく人 / Le semeur (The Sower)』(こちらで紹介済み)の、数ヶ月後の光景を描いた、と謂うだけではないのです(勿論、その作品さえもが、この眼に伺える事以上の意味をもたらされている可能性がない訳ではないのでしょうが)。

    しかも、さらにこの作品の画題がある農作業を描いたと謂うだけではないそうなのです。
    旧約聖書 / Vetus Testamentum』の『ルツ記 / Liber Ruth』をも題材にしている、と謂うのです。その物語では、主人公ルツ / Ruth落穂拾い / Glanageに従事する逸話があるのです。

    そうやって考えていくと、神話世界に題材をとって、女性の裸体を生々しくも描いた、エドゥアール・マネ / Edouard Manetの『オランピア / Olympia』(1863年の作品。こちらで紹介済み)と同趣向なのかなぁとも思えてきます。
    いや、それとも、真逆の発想なのでしょうか。

    下に掲載するのは、ジェームズ・ティソ / James Tissotによる『落穂拾いをするルツ / Ruth Gleaning』(邦題は拙訳です)。1896年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:05 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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