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『ハードウィックホールのエリザベス1世の肖像』 by ニコラス・ヒリアード

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    「当時の貴婦人の服装は、極端に胸をしめつけ、袖を優雅にふくらませ、腰から下に大きく張ったフープ(鯨骨の枠)を入れて、スカートをふくらませるという、豪華なものであった。」
    澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawa著『女のエピソード』)


    作品名:ハードウィックホールのエリザベス1世の肖像(邦題は拙訳です)
        The "Hardwick Hall" Portrait Of Elizabeth I Of England
    画 家:ニコラス・ヒリアード
        Nicholas Hilliard
    美術館:ハードウィックホールイギリスダービーシャー
        Hardwick Hall, Derbyshire, England


    1599年頃の作品。

    制作年を鑑みると、描かれているエリザベス1世 / Elizabeth I Of Englandの晩年にあたります。
    彼女の評伝を読んでみると、エリザベス1世 / Elizabeth I Of Englandの治世は完成の域に達していると同時に、綻びも顕れはじめた様に思います。

    記事冒頭に、澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaの『女のエピソード』からの抜粋を紹介しましたが、実は、その書物に掲載されているエリザベス1世 / Elizabeth I Of Englandの肖像画は、本作品ではありません。
    その書物のモノと同じ作品を捜してはみたのですが、ネット上ではどうしても発見できなかったのです。
    なので、その肖像画と極力似たモノ、つまり引用文での描写がそのまま該当する作品であると同時に、描いた画家と描かれた年代が明確なモノをその代理にしようと思いました。そうして選んでみたのが、本作品なのです。

    引用文には「豪華」と謂う語句があります。
    絢爛とも壮麗とも換言出来そうです。
    描かれた女性の地位、その生涯が凝縮されている、そう表現も出来ます。

    だけれども、彼女の一生を描いた、シェカール・カプール / Shekhar Kapur監督によるふたつの映画、『エリザベス / Elizabeth』とその続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ / Elizabeth : The Golden Age』を観ると、そんな表現とは全然、別の形容ばかりが思い浮かびます。

    怖い。

    絵から出てきたみたい、文字通りそう評価したい、エリザベス1世 / Elizabeth I Of Englandを演じたケイト・ブランシェット / Cate Blanchettの装いがとっても怖いのです。
    その作品で活写されている彼女の生き様や姿勢がどうのこうの、と謂うそれ以前に、彼女の外観それ事態に、怖ろしさを感じてしまうのです。

    肖像画にあるおなじモノである筈のモノが、何故、こうも違うのか。
    衣装の印象が全然違うのです。

    絵画作品にはある種の普遍性が与えられていると思うのですが、それとおなじモノが何故か、映画に映る彼女にはないのです。
    現在の美意識とはまったく異なる美しさ、それを"怖い"と表現してしまっているのですが、ふたつの映画ではそればかりが強調されている様に思えるのです。

    下に掲載するのは上の作品と同じ画家による『サー・ウォルター・ローリーの肖像 / Portrait Of Sir Walter Raleigh』。1585年の作品。
    ウォルター・ローリー / Sir Walter Raleighに関しては、澁澤龍彦 / Tatsuhiko Shibusawaの『女のエピソード』に「女王の寵愛の厚かった、あのタバコで有名なサー・ウォルター・ローリ 〔ママ〕などは、伊達男(ダンディー)中の伊達男(ダンディー)として知られている」とあります。
    同時代の男性の代表として、下の作品を選んだのです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:54 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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