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『聖マタイの召命』 by ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

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    陽光を背にうけて、そのひとが指し示す。それで、総てが決したのだ。
    文字通りに、運命の岐路と謂えるだろう。


    作品名:聖マタイの召命
        Vocazione di san Matteo
    画 家:ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ
        Michelangelo Merisi da Caravaggio
    美術館:
    サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会イタリア共和国ローマ
        Chiesa di San Luigi dei Francesi, Roma, Italia

    1600年の作品。

    画題は『新約聖書 / Novum Testamentum』にある挿話のひとつで、イエス・キリスト / Iesus聖マタイ / Matthaeusをおのれの12使徒 / 12 Apostoliのひとりとして召喚した、その瞬間を描いたモノです。

    本作品は画家の実質的なデヴュー作にあたり、この作品をもって画家の画量が広く知られる事になります。

    と、謂う事を指摘するとあたかも、イエス・キリスト / Iesusによって見出された聖マタイ / Matthaeusの姿に画家自身を当て嵌め、この作品をもって世に打って出るのだと、自らをなぞらえて描いたと考えてみたくもなりますが、流石にそれは考えすぎと謂うものでしょう(この画家の生涯を思えば、余計にそう思えるのですが)。
    この時代、画家は依頼者の発注に基づいて作品を制作していたのですから。

    本作品に描かれている幾人もの人物に関しては、議論があります。
    画面右で、おのれの腕をおおきく振りかざしているのがイエス・キリスト / Iesusである事には、疑いがありません。しかし、その腕にある指先は、一体、誰を指し示しているのであろうか、その解釈が幾つもある様なのです。
    つまり、イエス・キリスト / Iesusはこの画面に登場する誰を召喚したのか、すなわち、聖マタイ / Matthaeusとは本作品の誰なのだろうか、と謂う疑問です。

    この挿話は『新約聖書 / Novum Testamentum』では、『マタイによる福音書 / Evangelium secundum Matthaeum』の第9章9 / 9-9、『マルコによる福音書 / Evangelium secundum Marcum』の第2章13 / 2-13、そして『ルカによる福音書 / Evangelium secundum Lucam』の第5章27 / 5-27に顕されています。しかし、『マタイによる福音書 / Evangelium secundum Matthaeum』の第9章9 / 9-9では召喚された人物を聖マタイ / Matthaeusとしてあるのに対し、他の2篇ではレビ / Leviとしています。
    もしかしたら、『新約聖書 / Novum Testamentum』に於ける記述の不一致を受けて、本作品では、聖マタイ / Matthaeusが一体、誰なのか判然としないかたちで描いているのかもしれません。

    ただ、個人的には、「一体、だれを?」とか「それって、俺のこと?」とか、疑義を発するのではなく、あるがままに至極当然であるかの様に、おのれの命運と信じて、その人物の腕の動きを肯んじた、そのヒトこそ聖マタイ / Matthaeusではなかろうか、と思うのです。

    下に掲載するのはヘンドリック・テル・ブルッヘン / Hendrick ter Brugghenによる『聖マタイの召喚 / The Calling Of St Matthew』。1621年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:14 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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