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『てすさびするふたり(カード・プレイヤーズ)』 by クロヴィス・トルイユ

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    おなじ髪型で、おなじ仮面で素顔を覆い、そして、おなじ様な一枚の布でおのれの秘所だけをかくしているふたりの裸婦。ふたりの手許には数枚のカードがおかれ、彼女達が先程までそれに打ち興じていたのだろうと推測される。室内はくらく秘密めいていて、そこに設けられたいくつかの灯りが妖しげなひかりを発しているのだろう。おなじ様な姿勢でからだをなげだしている彼女達をつつむのは、まったくことなった色彩なのだ。


    作品名:てすさびするふたり(カード・プレイヤーズ):この邦題は拙訳です
        Les joueuses de cartes
    画 家:クロヴィス・トルイユ
        Clovis Trouille
    美術館:個人蔵
        Private Collection


    1943年の作品。
    以前に、横尾忠則 / Tadanori Yokooの著書『名画 裸婦感応術 / How To Feel Female Nudes In Masterpieces』をこちらで紹介した際に、本作品も掲載していますが、あらためてご紹介します。

    上で個人蔵 / Private Collectionとしてありますが、その所有者はその美術評論集の著者自身、すなわち横尾忠則 / Tadanori Yokooです。
    どこかでこの作品を観る事は出来ないのかなぁと思うのですが、2012年開催の、著者の展覧会『横尾忠則 初のブックデザイン展 / Tadanori Yokoo Book Design Exhibition』で展示された事がある様です。『ほぼ日刊イトイ新聞 / Hobonichi』の『ただいま製作中! / Now At Work』で、『横尾忠則 初のブックデザイン展 / Tadanori Yokoo Book Design Exhibition』のレポートが掲載されていて、そちらで紹介されていました [と、謂っても本作品自体への言及はありません]。

    本作品を観て、思うのは、時間の事です。
    ここにあるのは、ほんの一瞬なのか、それとも、永遠とも思われるながい時間なのか、と謂う事です。濃紺色の背景からは、それを伺い知る事が出来ません。どちらでもある様に思われます。そして、ふたりの女性の態度も、期待を描いているのか、それとも倦怠を描いているのか、そのどちらでもあるかの様に思われるのです。

    下に掲載するのは、上の作品と同じくカード・ゲームに興じているふたりの女性を描いた、タマラ・ド・レンピッカ / Tamara de Lempickaによる『カード・プレイヤーズ / Les joueuses de cartes (Card Players)』。1926年の作品です。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:49 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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