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『イーゼルの前の自画像』 by レンブラント・ファン・レイン

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    うすぐらいなか、絵筆とパレットを手にした、老いた画家が立っている。自身の正面にすえられた画架から、身体を斜に構え、眼前にあるモノを凝視める。その眼はおだやかで、頭巾の白さと呼応して、あたかもそこだけにひかりがあたっている様にみえる。


    作品名:イーゼルの前の自画像
        Portrait Of The Artist At His Easel 1660
    画 家:レンブラント・ファン・レイン
        Rembrandt Harmensz, van Rijn
    美術館:ルーブル美術館フランス共和国パリ
        Musee du Louvre, Paris, France


    1660年、画家54歳の作品です。

    こちらで紹介した画家の1652年の作品、『自画像(1652年) / Self Portrait 1652』と比べるとあまりの相違に驚かされます。8年と謂う歳月の経過がもたらしたのは老いと謂うモノなのです。
    時と謂うモノは、残酷だなぁと思わせられます。

    もちろん、それだけではありません。
    その作品での画家が、まっくらい画面のなかで、憤然と身構えている姿はとても攻撃的で挑発的でありました。なにものももたないその姿は徒手空拳と謂う語句さえも思い浮かべさせられます。

    ですが、この作品にあるのは、そのときの画家とは正反対の姿なのです。
    それは時間の経過、老いの到来だけによるのではないでしょう。

    画架を前にし、絵筆をとるその姿は、おのれ自身の本来の姿に立ち返ったかの様です。画家であるという自負、さもなければ、画家でしかないと謂う諦念、そのどちらとも解釈出来ます。

    尤も、この画家がその8年間に描いた自画像は、それら2作品だけではありません。
    彼の生涯を追う様に、総ての自画像をみていけば、ほんとうはもっと異なる視点をえられるのでしょう。

    下に掲載するのはエリザベッタ・シラーニ / Elisabetta Siraniによる『自画像 / Self Portrait』。1660年頃の作品です。
    上の作品とおなじ画題は、例えばフィンセント・ファン・ゴッホ / Vincent van Goghの『イーゼルの前の自画像(画家としての自画像) / Zelfportret als schilde』(1888年制作)もありますが、同時代の作品を選んでみました。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:56 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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