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『死の一突き:プロスペル・メリメ『カルメン』より』 by アラステア

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    一刃の閃き。
    ふるうおとこはそのおもいをはたせたのか。おそわれたおんなはそれをかわせたのか。
    わかるのはそこにある激情だけである。


    作品名:死の一突き:プロスペル・メリメ『カルメン』より
        Drawings For Carmen By Prosper Merimee
    画 家:アラステア
        Alastair


    1914年の作品。
    こちらで紹介した『闘牛に挑む前に:プロスペル・メリメ『カルメン』より / Illustration For Carmen』と同様、プロスペル・メリメ / Prosper Merimeeの小説『カルメン / Carmen』に材を得た『アラステアによる43葉の素描集 / Forty-Three Drawings by Alastair』の連作の、そのひとつです。

    描かれた作品は、その題材となった小説のクライマックスで、ヒロインのカルメン / Carmenとそれに捨てられた恋人、ドン・ホセ / Don Joseと思います。

    ご存知の様に、プロスペル・メリメ / Prosper Merimeeの小説『カルメン / Carmen』はジョルジュ・ビゼー / Georges Bizetによって翻案され、オペラ『カルメン / Carmen』が成立しています。
    しかしながら、上の作品名に「プロスペル・メリメ『カルメン』より / Drawings For Carmen By Prosper Merimee」とあるのは、オペラ作品によるモノではない、と謂う画家のことわりとこだわりがそこにあるのかもしれません。

    白地に紅を主体とした花々が描かれている衣服を着た女性と、漆黒に身を包んんだ男性。
    そのバランスを半ば喪い身体を左に歪めている女性と右掌にあるやいばとともにその身を右へと踊らす男性。
    己の最期を悟ったのか両眼を閉じた顔の女性と、憎しみにみちた視線を彼女に投じる顔の男性。
    その総てが対照的であると同時に、あやうい均衡がそこにある様に思えます。

    また、上に「紅を主体とした花」と綴りましたが、この作品は紙質に備わっている地の色をのぞけば、黒と紅だけで構成されています。一見、衣服に緑色を見出せそうな印象がありますが、それも実は黒、なのです。もちろん、花弁も血液も口唇も紅、なのです。

    下に掲載したのは、ヴィレ・ガイガー / Willi Geigerによる『カルメン新画集 / Die Neuen Bilderbücher Carmen』(邦題は拙訳です)。1920年の作品。
    上の作品とおなじ場景を描いた作品を捜しましたが見出せず、もっとも激しい感情が顕されているモノを選んでみました。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:57 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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