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『シテール島の庭』 by アントワーヌ・ヴァトー

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    のどかなひる、季節はおそらくはる。
    庭園の中央に、そびえるかの様に噴水がある。絶え間なく流れるその水とその流れ、そして音。
    しかし、そこに憩う数組の男女達の関心は、けっしてそこにはないのであろう。


    作品名:シテール島の庭園
        Les Jardins de Cythere (Die Garfen der Venus)
    画 家:アントワーヌ・ヴァトー
        Antoine Watteau
    美術館:シュテーデル美術館ドイツ, フランクフルト・アム・マイン

        Städelsches Kunstinstitut und Städtische Galerie, Frankfurt am Main,
        Deutschland

    本作品は、この画家の代表作のひとつ、1718年制作の『シテール島への船出 / L'Embarquement pour Cythere}(随分昔にこちらで紹介済み)の解説書である『ヴァトー『シテール島への船出』―情熱と理性の和解 (作品とコンテクスト) / Antoine Watteau: Einschiffung nach Kythera – Versöhnung von Leidenschaft und Vernunft, Frankfurt/Main 1985』(著:ユッタ・ヘルト / Jutta Held)で知りました。その書物に幾つも掲載されている画家の作品のなかで、最初に紹介されているのが本作です。

    その書物の中心課題である絵画と本作に登場するシテール島 / Cythereことキティラ島 / Kythiraは、ギリシャ神話 / Greek Mythologyに於いて、愛と美の神アフロディーテ / Aphroditeにちなむ場所です。
    と、謂う事は、本作に描かれている男女達はみな、恋人同士なのでしょう。

    上の画像だけでは判別がつきかねるかと思いますが、画面全体を縁取る装飾は下から仰ぎみる構図で描かれている一方で、その装飾に飾られた光景はみおろす構図で描かれています。その結果、すこし現実離れした印象を抱く事になります。

    そして、噴水やその周囲に繁茂する植物に比較すると、恋人達はずいぶんとちいさくみえます。逆にいえば、噴水も植物も巨大なのです。それも、浮世離れした印象を与える事になります。

    と、謂う事を前提に踏まえれば、本作品はキティラ島 / Kythira (Cythere)に実際にみられる光景ではなくて、アフロディーテ / Aphrodite達が主人公の神話の世界に近いのでしょう。

    猶、本作の原画は喪われ、このエッチング / Etchingしか存在していないそうです。エッチング / Etchingを制作したのは、ガブリエル・ユキエ / Gabriel Huquierです。その書籍には、本作制作にもうひとりの人物、ジラール・オードラン / Girard Audranが関与しているとしてあります。本作は画家と彼との共同作業であると、しているのです。

    下に掲載するのは同じ画家による『バッカスの庭園 / Les Jardins de Bachus (Die Garfen des Bachus)』。上の作品と対となるモノだそうです。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 08:41 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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