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『「愛<リーベ>」より。アトリエにて、パレットを手にして』 by ミハリー・ジッチ

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    画家はおのれの職務を放棄してしまう。おのれの美に対する認識が、眼前にある美の誘惑にまけてしまったのだ。それとも、おのれの美をまっとうなるモノとするための行為なのだろうか。あとづけはいくらでもできる。それは、誘惑者たる彼女にとっても同様なのだ。


    作品名:『愛<リーベ>』より。アトリエにて、パレットを手にして
        From "Liebe. Vierzig Zeichnungen"
    画 家:ミハリー・ジッチ
        Michael Von Zichy (Zichy Mihaly)


    画家の死後、1911年にライプツィヒ / Leipzigで出版された画集『愛 / Liebe. Vierzig Zeichnungen』のなかの1葉です。
    その画集は画家の素描40葉を纏めたモノで、300部が出版されました。

    この作品をわたしが知る事になった、田中雅志 / Masashi Tanakaの『ミハリー・ジッチ(1827-1906)--ロシア宮廷画家の「愛」の回想録』(『ユリイカ 総特集:禁断のエロティシズム 異端・背徳の美術史』掲載)によれば、本作を含めた素描は、画家がロシア皇帝 / Emperor Of Russiaアレクサンドル2世 / Aleksandr IIに献上したモノだそうです。つまり、出版を前提としたモノではなく、極めて個人的な作品なのです。

    と、なると、本作品に描かれた人物は誰なのだろうと謂う邪推が起こります。男性の左掌にパレット / Paletteがある以上、その人物の職業は画家 / Painterであろうと推察されます。では、この男性は画家本人 / Painter Himselfなのでしょうか。
    いや、画家本人であっても一向に差し支えないのですが、それを描いた作品を当時の皇帝 / Emperorに献上するのかなぁ、と謂うのがわたしの疑問です。
    もしかすると、この様な行為は日常茶飯事でなにをいまさら、な画題なのかもしれません(勿論、画家 / Painterとそのモデル / Modelがそんな行為に及ぶ事は充分にあり得るのですが)。つまり、画家と皇帝 / Emperorは同病相憐む関係 / Fellow Sufferers Pity Each Other、否、同じ穴の狢 / Birds Of A Featherといって良い関係があったのだろうか、そんな疑念に囚われるのです。

    下に掲載するのは、フランチェスコ・ベダ / Francesco Bedaによる『画家とモデル / Maler im Atelier mit Aktmodell』(邦題は拙訳です)。1882年の作品。
    上の作品の、本当の制作年が不明なのではありますが、ふたりの画家の活動期をみくらべると、同時代の作品といえると思います。


    るい rui, the creature 4 =OyO= * criticism : art * 09:05 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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