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詩『六角館にて:At The House Of Hexagon』

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    OTに

    母につれられてそこにむかった。何十年もまえ、小学校にあがるまえのことだ。結局、なにをしにいったのかはわからない。なにがあったのかもわからない。わたしがおぼえているのはごくわずかだ。うえからみるとそのたてものは正六角形をしているらしい。らしい、と曖昧な表現になっているのには理由がある。むっつの辺をなすむっつの壁の、ひとつおきにとびらがある。どれもおなじデザインだ。母はまごついた。あけるべき扉がわからないのだ。意を決してそのひとつをあける。めのまえにまっすぐな廊下がずっとのびている。廊下のむこうはうすぐらく、おくにあるはずの部屋はみえない。玄関の右脇にはふたつのとびら、それは御不浄と浴室らしい。反対側には黒い電話機があり、その横にかわいらしい姑娘が腰かけている。彼女はわたしたちににっこりと微笑む。母はおのれのまちがいを詫びてそとへと戻る。あける扉はどれもおなじで、違うのはわたしたちをむかえる姑娘だけだ。身に着けている柄と色、あたまにさす髪飾りがみなちがう。建物をぐるっとまわって、母とわたしはおなじことを3度くりかえす。めざす場所とめざすひとにめぐりあえないのだ。母はいう。その日、そこでわたしは身を浄めることになっているのだ、と。ここでいいのだろうか、なやみながらも母は最初のとびらをまたあける。黒電話の姑娘をといただすしかないのだ。だが、そこにいるのははじめてみる女性だった。そうして、わたしたちのどうどうめぐりがはてることもなくはじまるのだ。
    るい rui, the creature 4 =OyO= * poetry : sonnet * 00:00 * comments(0) * trackbacks(0) * -

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